焦点はユーロ相場

Market Overview

7日の海外外為市場は、米ドルを買い戻す動きとなった。特段の材料がない中、この日の米金利は小幅に反発し、米ドルのショートカバーを誘発した。ただ、10年債利回りが2.2%以下で推移する等、依然として超低空飛行状態が続いたことから、米ドルの反発も限られた。ドル円は109.88レベルまで買い戻されるも110円トライには失敗。一方、ユーロドルは1.12ミドルを挟んで売り買いが交錯した。
国際商品市況ではNY原油先物7月限が急落した。米週間石油在庫統計で原油在庫が約330万バレル増加(前週末比)したことが嫌気され、一時は45.65ドルと、5月9日以来1カ月ぶりの安値水準まで低下する局面が見られた。これを受け外為市場ではカナダドルやロシアルーブルに売り圧力が強まった(対ドル)。一方、欧米株式は8日の重要イベントを控え強弱まちまちの展開に。米株は金利反発の恩恵を受けた金融株とテクノロジー株が相場をサポートした。ただ、原油相場の急落が上値を抑制し、ダウ平均は前日比37ドル46セント(0.18%)高の21,173.69で取引を終了した。

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Analyst's view

米上院情報特別委員会は昨日、コミー米連邦捜査局(FBI)前長官による議会証言の草稿(冒頭部分)を公表した。内容はこれまで報道されてきた範疇であり、ロシア疑惑を深める新たな事実がなかったことが、昨日の米株高と金利反発の要因となった、との指摘がある。実際に7日の米国市場が上述した展開(=株高 / 金利反発)となった点を考えるならば、そしてコーツ米国家情報長官やロジャーズ米国家安全保障局(NSA)局長らがトランプ大統領から圧力を受けた疑惑について否定したことから、米東部時間8日午前10時(日本時間8日午後11時)に予定されているコミー氏の証言はもはやイベントリスクとして意識されない可能性が出てきた。
ただ、米ドル安がこれで一服するかどうかは、ユーロ相場次第だろう。そのユーロは対ドルで1.12台を堅持する状況が続いており、レジスタンスポイント1.13を突破する可能性は依然くすぶる。1.13突破のきっかけとなる材料として本日注視すべきは、①英国総選挙の結果を受けた「ポンド売り→ユーロ買い」と②ドラギECBの金融政策変更シグナルだろう。どちらもユーロ買い要因であるが、ユーロドルのトレンド決定要因である米独利回り格差の観点で考えるならば、より重要なのは後者のECBイベントだろう。ドラギECBが近い将来の政策変更についてコンセンサスを形成していることが判明すれば、米独利回り格差がさらに縮小することでユーロドルは1.13レベルを突破する可能性が高まる。相対的に強まるであろう米ドル売り圧力は、ドル円の上値をレジストするだろう。また、本日の米政治イベントを無難に消化しても米金利の低下リスクは残る。その要因となり得るのが原油相場の下落だ。昨日は議会証言の草稿が原油相場の急落を隠したかたちとなった。ただ、続落する展開となれば、インフレ期待の後退観測が米金利の低下圧力の要因となろう。米金利の超低空飛行が続けば米ドル売り再開となろう。


【チャート①:ユーロドルチャート】 

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【チャート②:ユーロドルと米独利回り格差】

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