ドル円のトレンドは米指標データ次第

Market Overview

25日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯した。この日も米株は続伸。それに伴い米金利への低下圧力が後退し、米ドル買い優勢の局面が見られた。ただ、トランプ政策に対する不透明感は根強く、上昇幅は限られた。ドル円は112円トライの局面が散見されるも10日MAにレジストされ反落。111円後半でこう着状態となった。一方、ユーロドルは1.12前半で売り買いが交錯した。

軟調地合いとなったのは、資源&新興国通貨だった。この日のNY原油先物7月限が前日比で4.8%近く急落した影響を受け、原油価格との相関性が高いカナダドル、ロシアルーブルが対ドルで下落した。メキシコペソも対ドルで小幅に反落した。

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Analyst's view

世界的な株高傾向は継続中(チャート①参照)。第2四半期以降のパフォーマンスを確認すると、4月のリスクイベントをこなした各市場は株高トレンドを維持している。特に政治リスクに直面した欧州株の高パフォーマンスが目立つ。また、同じく政治リスクに直面中の米株も再び上昇基調へ転じ、昨日はS&P500とナスダックが最高値を更新する展開となった。

このトレンドに追随出来ないのが、米ドル相場だ。チャート②を確認すると、パフォーマンスのかい離が鮮明となっている。株高は米金利の低下圧力を強める要因となり得る。しかし、今年に入ってからの米金利は、株式動向よりもトランプ政権の政策運営能力とFEDの金融政策に対する感応度の方が強い。このため、米株で最高値更新の状況が続いても、米金利の反発は限定的となっている。米ドル相場が反発するためには、米金利の反発が必須条件となる。トランプ政権が混乱状態にある現状を考えるならば、目先はFEDの金融引き締めに対する思惑が米金利反発の鍵を握ろう。そのFEDだが、今後の金融政策についてはDATA Dependency(指標データ次第)というスタンスを崩していない。この点は直近のFOMC議事録でも改めて示された。よって、米金利反発の鍵は指標データにあると言える。
本日は1-3月期GDP改定値と4月耐久財受注コアが発表される。前者は改定値ということもあり、市場予想(前期比年率0.9%増)とかけ離れた内容とならない限り外為市場への影響は限定的だろう。一方、耐久財受注コアは企業の設備投資の先行指標として注目されているため、株式市場の変動要因となり得る。市場予想(+0.4%増)以上ならば「株高→米金利への低下圧力後退→米ドルの買戻し」という展開を想定したい。市場予想以下となれば、週末ということもあり米株には調整売りが強まることで、逆の展開(米金利低下→米ドル売り)となろう。尚、来週以降はISM指数や雇用統計といった重要指標データの発表が控えている。

ドル円は引き続き110.00-112.80のコアレンジを想定したい。上述のとおり、株高維持となっている限り、110円割れの展開は考えにくい。ただ、米ドル安が株高による円売りの相殺要因となることから、反発しても直近安値110.23からの61.80%戻しにあたる112.80レベルまでの反発が限界と想定したい。これ以上の上昇は、上記のとおり良好な米指標データの確認が必須条件となろう。


【チャート①:株式パフォーマンス】

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【チャート②:米株と米ドル相場】

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【チャート③:ドル円チャート】

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