ロシアゲートはリスク選好要因

Market Overview

22日の海外外為市場は、ユーロ買い優勢の展開となった。メルケル独首相はこの日、ベルリンでの学校訪問で「ユーロ相場は弱すぎる」と発言。これをきっかけにユーロは対ドルで1.1263レベルまで上昇する局面が見られた。ユーロ円も続伸し、125円台へ上昇する局面が見られた。ユーロポンドは0.8651と、3月30日以来の水準までユーロ高が進行した。一方、ドル円は、米ドル安やトランプリスクに上値がレジストされ、111円台を中心にこう着状態となった。ただ、リスク回避圧力が強まっているわけではないので、110円台では根強い押し目買いにサポートされた。

海外株式動向だが、主要な欧州株式はユーロ高に圧され軟調地合いとなるも、英FTSE100は先週16日に付けた史上最高値7533.70を視野に堅調推移となった。米国株式は原油高や米企業とサウジアラビア間の投資合意が好感され続伸。ハイテク株も引き続き堅調推移となり、ナスダック総合株価指数は前週末比49.915ポイント(0.8%)高の6133.618でこの日の取引を終了した。NY原油先物7月限は減産延長期待が引き続きサポート要因となり4日続伸。一時51.06ドルと、4月19日以来約1カ月ぶりの高値を付ける局面が見られた。

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Analyst's view

フランスリスクの後退後、世界の株式(MSCI)は再び株高トレンドへ回帰中。その世界株のパフォーマンスを新興国株式が凌駕し、国際商品市況が反発基調へ転じ、且つ新興国通貨も対ドルで堅調推移へ転じている事実を考えるならば、投資家のリスクセンチメントは改善傾向にあることがうかがえる(チャート①参照)。これらの動向の中で最も注目すべきは、国際商品市況の反発とドルインデックスの反落が同じタイミングで発生している点だろう(チャート②参照)。これが示唆する重要な点は2つある。第一に、今回の米ドル安がリスク選好要因として各市場で捉えられているということだ。昨年のトランプラリーの安値レベルを一時下方ブレイクする局面が見られた国際商品市況が5月に入り急反発していることは、当然株式市場(エネルギーセクター)のサポート要因となる。両市場が堅調に推移すれば投資家のリスク許容度がさらに拡大し、リスク性の高い新興国通貨や資源国通貨への投資妙味が増していく。第二の点として、その米ドル安の圧力を高めるきっかけとなったロシアゲートは、目下のところグローバルリスクとして各市場で認識されていないということが指摘できる。今後の捜査の進展により、ロシアゲートがグローバルリスクに発展する可能性はくすぶっている。だが現在は、この疑惑が米国内における政治の混乱として各市場で認識されているため、米ドル安がリスク選好要因として作用しているわけだ。
「ロシアゲート→米ドル安→リスク選好」の状況が続く限り、ドル円はレンジ相場での推移が継続しよう。コアレンジは110.00-112.80レベルを想定したい。一方、米ドル安が続く限りユーロは選好され続けよう。ユーロドルは1.1300レベルをトライする可能性が高まってきたと言える。


【チャート①:株式と国際商品市況のパフォーマンス】

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【チャート②:ドルインデックスと国際商品市況】

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