円が最も選好されやすい相場環境に

Market Overview

8日の海外外為市場は、日本円と資源国通貨が対ドルで上昇する展開となった。欧州の政治リスクを背景に安全資産としての米国債が選好される状況が継続し(=米金利の低下傾向が継続し)、米ドルとの相関性が高まっている10年債利回りは2.325%と1月18日以来の水準まで低下する局面が見られた。米金利の低下は米ドル売り圧力を強め、対円では112円前半から111.60台まで下落。ただ、NYタイム後半では米金利が反発する局面が見られたこと、またこの日の米株が堅調推移となったことで112円台を回復する局面が見られた。ユーロ円はドル円の下落と欧州政治リスクが意識され3日連続で陰線が示現。119.40前後で推移している89日MAが、下値の攻防分岐として浮上してきた。一方、この日の国際商品市況が総じて上昇したことで、米ドルは資源国通貨や新興国通貨に対しても弱含みの展開となった。欧米株式動向だが、株高維持は続いたものの、欧州政治リスクやトランプ政権の政策運営能力への不安から上値は限られた。ただ、ナスダック総合株価指数は前日比8.237ポイント高の5682.454と連日で最高値を更新した。

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Analyst's view

トランプ相場に米ドルのみが追随できない状況に陥っていると、このレポートで指摘してきた。ただ、直近では米金利でも低下傾向が続いており、一見トランプ相場から脱落しかかっているように見える。だがそう判断するのは早計だろう。チャート①を確認すると、米金利とドルインデックスが対照的な動きとなっている。本来順相関の関係にある米金利とドルインデックスが逆相関の関係になっている主因は何か?それは欧州の政治リスクだろう。フランスリスクが意識され始めた今週より米金利の低下圧力が急速に強まっている。だが、同時にこのリスクは米通商政策リスク(=米ドル安圧力)以上のユーロ売り圧力も強め、その結果、消去法的な米ドル買いが入り、上記の逆相関関係が発生しているわけだ。この状況は長くは続かないだろう。株高が維持されるならば米金利の低下圧力後退要因となるだろうし、逆にそのような展開とならなければ、米金利の低下は米ドル売り圧力を強める要因としてすぐに市場で認識されるからだ。

日米首脳会談や米国の早期利上げ観測が一時的に後退している現状を考えるならば、目先は後者のシナリオ(米金利低下→米ドル売り)を警戒したい。そこに欧州の政治リスクがさらに強まれば米ドルもユーロも買えないという状況が発生し、結果、外為市場で最も選好されるのは日本円ということになろう。この点は8日のレポート「株高の恩恵を享受できない円相場」で指摘済み。株高維持となっているため、リスク回避による急激な円高トレンドが発生する可能性は低い。しかし、「米ドル売り+ユーロ売り」の圧力がじわじわと円高圧力を強める展開を常に意識すべきフェーズにある。

ドル円の下値攻防分岐は、直近3日連続で下値をサポートした111.60レベル。この水準を下方ブレイクする場合は、週足一目雲の上限(111.30台)、ビッドが観測されいてる111.00が次のターゲットとして浮上しょう。一方、ユーロ円の下値攻防分岐は昨年10月21日安値112.61レベルを起点とした短期サポートライン。昨日はこのラインが相場をサポートした。また、上述した89日MAがこのラインと並行している(チャート②参照)。


【チャート①:米金利とドルインデックス】

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【チャート②:ユーロ円チャート】

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