重要テーマは米国市場の「共存関係」

Market Overview

今週の外為市場の焦点は米ドル高の継続にあろう。この点を見極める上で米国市場における「共存関係」の継続、つまり現在の米金利の急上昇に米国株式が追随できるかどうか、この点が重要なファクターとなろう。この関係が継続するならば、米ドル高がさらに進行しよう。ドル円は7月21日の戻り高値107.49レベルのトライ、ユーロドルは今年の1月以来となる1.07台の攻防へシフトする展開が想定される。ただ、過度の米金利上昇とそれに伴う米ドル高は、株式市場や原油先物相場の圧迫要因となる可能性がある。これら市場動向次第では、ドル高と円高圧力が同時に強まる展開も想定されよう。

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Analyst's view

米金利の上昇が止まらない。9月下旬以降、米ドル相場との相関性が急速に高まっている10年債利回りは、9月29日に下げ止まると上昇トレンドへ転じ、11月8日に行われた米大統領選挙の結果が判明する前までに19.7%も上昇した(1.556%→1.862%)。しかし、トランプ候補が次期大統領になることが判明すると、その後の2日間で13.7%の上昇と、それまでの上昇スピードを超える速さで急騰中(1.862%→2.118%)。ここまでの短期間で米金利が急上昇すれば、意識せざるを得ないのは、上述した株式市場や原油先物相場の動向だろう。現時点の米国市場は上記の「共存関係」を維持している。しかし、金利の上昇は企業の借入コストが増大することを意味する。よって、米国株式がこのまま高値圏を維持するためには、それを上回る企業の期待成長率が必要である。決算シーズンを終えた現在、期待成長率への思惑に影響する材料は米指標データとなろう。今週は、米国経済の状況を見極める上で重要な指標データが多く発表される。総じて市場予想以上ならば「米国経済の成長→企業の成長」という好循環に対する期待先行を背景に、米国株式は金利上昇のネガティブインパクトを吸収しよう。外為市場ではリスク選好の米ドル高トレンドを維持しよう。逆に総じて市場予想を下回るならば、「米国経済は利上げに耐えられる程本当に強いのか?」という疑心暗鬼が市場で発生しよう。12月の米利上げが既定路線であることを考えるならば、米国株式は米利上げリスクを吸収し切れず「共存関係」は崩れよう。外為市場では米ドル高の調整地合いが強まるとともに、円とユーロのショートカバーが急速に強まろう。

一方、原油先物相場は現在、過剰供給懸念が再び意識されている。このタイミングで「冴えない指標データ→米国株式下落→投資家のリスクセンチメント悪化」となれば、さらに下値を模索しよう。資源国通貨および資源価格と相関性が高い新興国通貨は対ドルで下値を模索するムードが強まろう。

ドル円の短期トレンドは、重要レジスタンスポイントである107.49トライを想定している。ただ、上述した通りそれは米指標データ次第だろう。冴えない内容が続けば105円を下方ブレイクし、21日MA(今日現在104.55前後)まで反落する可能性があろう。


【チャート①:米10年債利回り】

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【チャート②:米国株式と米10年債利回り】

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