米国大統領選挙後の相場展望

Market Overview

今週最大の焦点は8日の米国大統領選挙となろう。クリントン候補の勝利となれば、外為市場では米ドル買い優勢の展開となろう。株式市場も素直に株高で反応しよう。一方、トランプ候補の勝利となれば、外為市場のファーストリアクションは米ドル売りとなろう。株式市場は短期的に下値トライの展開が想定される。ただ、「トランプリスク相場」の持続性は米指標データ次第となろう。

bg_us stocks earnings season 4

Analyst's view

米連邦捜査局(FBI)がクリントン候補の私用メールアカウント問題について不起訴とした前回7月の決定を維持する方針を明らかにしたことで、本日早朝の外為市場は米ドル買いで幕開けとなった。ドル円は一時104.44レベル、ユーロドルは1.1040レベルまでドル高が進行。米FBIの見解に対する上記の反応を考えるならば、8日の大統領選でメインシナリオ通りクリントン候補の勝利に終われば、外為市場は素直にドル高で反応しよう。また、株式市場も株高で反応する可能性が高いだろう。よって円相場は、ドル円が円安の牽引役となろう。目先の上値焦点は105.53レベル(10月28日高値)および105.75(リトレースメント76.40%)の攻防となろう。これらレジスタンスポイントをことごとく突破する場合、リトレースメントの全戻しとなる107.49レベル(7月21日高値)を視野に入れる展開となろう。

逆にトランプ候補勝利ならば、外為市場のファーストリアクションは米ドル売りとなろう。この場合、問題は株式市場の動向だろう。直近のVIXやVSTOXXが示す通り「トランプリスク」は投資家のリスクセンチメントの悪化要因である(チャート①参照)。トランプ候補勝利となれば、株式市場は短期的に下値トライの展開となろう。「ドル売り+株安」となれば、ドル円は日足一目/雲の下限が推移している101.80レベルを一気に下方ブレイクし、再び100円トライが想定される。

ただ、米指標データ次第では「トランプリスク相場」は短期で終息する可能性がある。米大統領選挙が終了すれば、市場の耳目は再び米国のファンダメンタルズに回帰するからだ。良好な指標データが続くならば、米国経済の成長とそれに伴う利上げ観測を背景にドル安圧力は後退しよう。米株も行き過ぎた下落の反動で買戻し優勢の展開となるだろう。ただ、このケースでも米株の下落リスク、つまり米利上げ観測が株式の圧迫要因となるリスクは残る。この点を示唆しているのがチャート②である。米金利の上昇が鮮明となった今夏以降の動向を確認すると、「トランプリスク」が意識される前から、米金利の上昇に伴い米S&P500は徐々に上値が切り下がっていることがわかる。4日に発表された10月の米雇用統計が12月利上げ観測を後退させる内容ではなかった点や米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長の利上げに向けた前向きな発言を考えるならば、良好な指標データはFEDの利上げをより正当化させよう。当然市場もその点を意識せざるを得ないだろう。また、米利上げ観測の高まりは、減産合意への懐疑的な見方が強まっている原油先物相場の圧迫ともなろう。「良好な指標データ→ドル高」となっても、株式と原油相場次第ではドル円の上値が圧迫されるリスクは常にくすぶっていると言える。


【チャート①:VIXとVSTOXX】

chart1_1107


【チャート②:米S&P500と10年債利回りの動向】

chart2_1107

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 取引の過ち

    金融取引において心理状態は重要な要素であり、どのように取引を理解し反応するかが成功に大きな影響を与えます。ここでは、取引での心理状態についていくつかの要素を紹介し、気を付けるべき一般的な過ちを確認していきます。

  • 「売り」取引の方法

    売りポジションの保有から取引をスタートする事により下落市場で利益を得たり、既に保有している金融資産のリスクヘッジを行うことができます。このセクションでは「売り」取引の仕組みについて学びます。

  • 注文とは

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。