目先の三大焦点:国内外の金利差、株式そして原油相場

Market Overview

米国大統領選挙への警戒感を背景に、今週のグローバル株式市場(特に米株)は上下に振れる展開が想定される。米ドル相場も大統領選挙の報道内容(特にクリントン候補の私的メールアカウント問題に関する報道)を背景に神経質な展開となろう。円相場はこれらの市場にトレンドが左右される状況となるだろう。ただ、米欧金利の上昇基調を考えるならば、円高へ振れてもその値幅は限定的となろう。リスク要因は、株式市場と原油先物相場にあろう。

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Analyst's view

円高圧力後退の主因は日米欧の金利市場にある。先週、ドル円は105円台を回復する局面が見られたが、比較チャート①が示すとおり、その主因は日米の金利差拡大にある。また、興味深いのは、ユーロ円の上昇も金利差の拡大が起因している点だ。比較チャート②は日独の長期金利格差とユーロ円のトレンドを比較しているが、見事に反発のタイミングが一致していることがわかる。これらチャートが示唆するところは、FEDの金融正常化と近い将来におけるECBのテーパリング(その前に金融緩和の強化があるだろうが)がグローバル市場で意識されている反面、日銀は異常な金融緩和状態から脱することが出来ないという観測だろう。事実、日本の10年債利回りは9月の金融政策決定会合後もマイナス圏へ沈んだままであり、黒田日銀が新たな目標として設定した0%近辺の固定化は未だ顕在化していない。外為市場のトレンドを左右する要因はいくつもあるが、その中でもより影響力がある国内外の金利差の拡大に市場の関心が集まっている現状を考えるならば、今週のドル円やユーロ円は底堅い展開を想定。円高へ振れてもその値幅は限定的となろう。

リスク回避要因として注視すべきは、米国株式の動向だろう。米S&P500と10年債利回りの動向を比較したチャート③を確認すると、米株の上値が徐々に切り下がっていることがわかる。米金利の上昇(=金融引締め観測)がその要因となっていることは明らかだが、このタイミングでメインシナリオと思われている「クリントン大統領誕生」が私的メールアカウント問題を理由に一転して暗雲立ち込めるムードが強まるならば、米株の圧迫要因となろう。それは米ドル相場も同様である。現在は「クリントン候補優勢=ドル高」「トランプ候補優勢=ドル安」の局面となっている。クリントン候補が劣勢となればドル安圧力を強める要因となろう。
また、もうひとつのリスク要因として注視すべきは、原油先物相場の動向である。ここにきて減産合意で再び産油国間の足並みの乱れが露呈。それに伴いNY原油先物相場(12月限)は50ドルの大台を再び割り込む展開となっている。減産合意に対する不透明感の高まりは供給過剰懸念を市場に意識させよう。それが意識されるタイミングでドル高が再加速すれば、株式と原油先物相場が一度に下値トライとなる可能性が高まろう。このリスク回避の状況が発生するならば、ドル円は103円ミドル前後まで下落する展開が想定される。ユーロ円も113円前半で推移しているトライアングルの下限を再トライする展開となろう。


【比較チャート①】

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【比較チャート②】

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【比較チャート③】

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