焦点は米国マーケットの共存関係と四半期決算

Market Overview

10日の海外外為市場は円安優勢の展開となった。ドル円は、株高と米長期金利の反発基調維持が同時に発生したことを背景に103.78レベルまで上昇。クロス円では原油相場の反発を背景に資源国通貨での堅調地合いが目立った。その資源国通貨だが、対ドルでも堅調に推移し、原油相場との相関性が高いロシアルーブルは昨年10月23日以来となる61.77レベルまでルーブル高が進行した(対ドル)。

他の市場動向だが、堅調な原油相場が好感され欧米株式市場は総じて堅調に推移。「株高+原油高」を背景に米金利は長期ゾーンを中心に上昇圧力が強まり、10年債利回りは1.7710レベルまで上昇する局面が見られた。一方、米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.85%を挟んでの展開となった。「株高/ 円安」要因となった原油先物相場(WTI11月限)は一時51.60ドルまで上昇し、期近物として6月9日以来およそ4カ月ぶりの高値を付ける局面が見られた。

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Analyst's view

2016年に入り、米金利の上昇は米金融引締めリスク(=ドル高リスク)を想起させ、株式の圧迫要因となってきた。しかし、米国株式と長期金利の動向を比較したチャート①を確認すると、現在は株高と米金利の上昇が共存関係に回帰していることがわかる。本来あるべきマーケットの姿(株高=金利上昇の関係)に戻っている状況と外為市場との関係性を考慮する場合、米株高 、米金利上昇 そしてドル高の共存関係が構築されることを示唆する。事実、比較チャート②では急速にドル高圧力が強まっているにもかかわらず、米株は高値圏を維持している。この状況が続く限り、円相場はドル円、クロス円ともに円安優勢で推移しよう。ドル円は目先、ネックラインとして意識されている104.32レベルの攻防が焦点。このレベルを完全に上方ブレイクすれば、7月下旬の戻り高値107.50レベルまでドル安/円高の調整地合いが進行しよう。

ただ、割高感が増している米株は、何かのきっかけで調整色が強まる可能性を常に内包している。そのきっかけとして目先注視すべきは、今週より本格化する四半期決算だろう。アルミ大手アルコアを皮切りに金融セクターの決算がまずは注目されるが、予想以上に冴えない内容が続けば、米株は調整相場へシフトする可能性がある。米株が崩れれば急反発している米金利に低下圧力が強まり、結果、外為市場ではドルロングを調整する展開へシフトしよう。この場合、ドル円はテクニカル面で102円台の維持が焦点となろう。今週、102-103には一目/雲(日足)が展開する。その雲の中には89日&75日MAが推移している。また、雲の下限付近には21日MAが上昇しつつある。
今週のユーロドルは、トライアングル(日足)の攻防に注目したい。米四半期決算が良好ならば、一目/雲の上限(週足)の下方ブレイクを意識したい。尚、この雲の中にはトライアングル下限が推移中。一方、冴えない米企業決算は「米株調整→米金利低下→米独利回り格差縮小→ドルロング調整」という展開を想起させる。この場合は、トライアングル上限を視野に反発しよう。


【比較チャート①】

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【比較チャート②】

chart2-1011

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