米指標データにらみの冷静な市場

Market Overview
29日の海外外為市場は、米ドルの売り買いが交錯した。FEDサイドによるタカ派発言の余韻を背景にドル買い局面は見られたものの、実際の利上げについては指標データ次第という面もあり、米国債券市場では利益を確定する展開(=債券買い / 金利低下)となった。一方、独10年債利回りは米国の利上げが意識され上昇。結果、米独金利差が縮小したことで、ユーロドルは1.1158レベルから1.1190台まで反発した。ドル円も102.30レベルで上値がレジストされると、あっさり102円割れの展開となった。

他の市場動向だが、欧州株式は米利上げリスクが意識され反落。一方、米国株式は利上げによる金融機関の収益改善期待や個人消費支出(PCE)の堅調な伸びを背景に反発した。原油先物相場(10月限)は、ドル高再燃ムードや生産調整期待の後退を背景に反落した(終値:46.98)。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは上記の通り利益確定優勢の展開となり低下。しかし0.80%台の水準は維持した。

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Analyst's view

先週はFEDサイドから利上げについてのタカ派発言が相次いだ。しかし、昨日の米国市場は「米株反発 / 金利低下」で反応。ドル高再燃ムードが高まっているにもかかわらず米株が堅調さを維持し、FED Watch(CME)の9月利上げ確率が21%まで再び低下している事実は、結局のところ、米利上げの可否は「指標データ次第」という従来のスタンスに変化がないことを市場が冷静に見抜いていることを示唆している。

本日の外為市場も米指標データにらみとなろう。注目は8月の消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード)。7月の個人消費支出は市場予想(前月比:0.1%)と一致し堅調さが確認された。消費者信頼感指数も市場予想以上となれば「良好な指標データ→米利上げ期待→米金利反発→ドル高」の展開が想定される。ドル円以外のドルストレートは素直にドル高優勢トレンドを形成しよう。特に資源国&新興国通貨の動向には要注意。9月の生産調整期待が徐々に後退し且つ投機筋による原油先物の買い越しも急速に積み上がっている。このタイミングでドル高リスクが意識されれば、資源国&新興国通貨は対ドルで下落幅を拡大させよう。特に相関性の高いカナダドルやロシアルーブルでの下落幅拡大が想定される。ドルカナダ(USD/CAD)のテクニカルターゲットは、7月27日高値1.3251を起点とした短期レジスタンスラインが推移している1.3080レベル。一方、ドルルーブル(USD/RUB)のそれは一目/雲の上限(日足)が推移している65.20レベル。

一方、円相場は株式動向によりトレンドが左右されよう。また、国内株式特有のリスクにも注視する必要がある。2006年以降、国内株式とドル円は日米金融政策のコントラストを背景に順相関の関係が構築されてきた。しかし、今年7月中旬以降、その関係性が崩壊している。突如降って湧いてきた「ヘリマネ導入期待」や日銀よるETF買い増し決定と相関性の崩壊が重なっている点を考えるならば、主因が「官制相場」であることは明白。29日は米株が堅調に推移したことで本日の国内株式も堅調さを維持する公算が高い。円相場も緩やかな円安トレンドが想定される。しかし、海外市場がひとたび「ドル高リスク→株式&原油相場の下落」に転じれば、外為市場では円を買い戻す動きが強まろう。それまでに(=「ドル高+米株堅調地合い」が続く間に)ドル円は今年最高値を起点としたレジスタンスライン(今日現在103.70)を突破出来るかどうか、この点が目先の焦点となろう。


【比較チャート】赤ライン:日経平均 緑ライン:ドル円

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【ドル円チャート】

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