二つの重要な焦点

Market Overview
米ドルの方向性を示すドルインデックスは、短期サポートラインの維持に成功し再び上昇ムードが強まってきた(日足チャート参照)。ドル高再燃の主因は、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長をはじめとしたFEDスピーカーによる利上げへの地ならし発言が続いたことだ。その中でも市場の注目度が高いのが、フィッシャー副議長による「9月利上げ」を示唆した発言だった(26日、米CNBCとのインタビュー)。今週の米指標データが総じて市場予想を上回る場合、外為市場ではドル高トレンドが形成されるだろう。その場合、株高トレンドに変調が見られるかどうか、この点にも注視すべきだろうー

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Analyst's view

焦点①:ドル高トレンドの形成

22日のレポート「イエレン講演まではレンジ相場を想定」の中でドル高トレンドが再び形成されるならば、それは29日の週以降になると指摘した。イエレン議長による「利上げの論拠はこの数カ月で強まったと考えられる」との発言や上記のフィッシャー副議長の発言、そしてこれら発言を受けたドルインデックスのサポートラインの維持によりドル高トレンド形成の土台は整ったと言える。あとはもう一つ条件をクリアする必要だけである。

その条件とは良好な米指標データである。フィッシャー副議長は「9月利上げ」の可能性を示唆すると同時に、「指標データ次第」という断りも忘れていなかった。今週はPCEコア・デフレータ(7月)、ISM製造業景況指数(8月)そして雇用統計(8月)といった重要指標データが発表される。これらが総じて市場予想を上回るならば、ドルインデックスは200日MAを再び上方ブレイクし、7月25日の高値水準97.55レベルを視野にドル高トレンドが鮮明となるだろう。ただし、それが必ずしもドル円の上昇要因となり得るわけではない。他のドルストレートのようにドル高一辺倒となるには、円相場特有の条件をクリアする必要があるからだ。


焦点②:株式動向

その条件とは株高の維持である。日米金融政策のコントラストが明確になった2006年以降、「ドル円上昇=国内株高」「ドル円下落=国内株安」という明確なトレンドが発生している。ドル円の方向性を左右してきた国内株式のトレンド決定要因はグローバル株式の動向にある。「9月利上げ」が再燃して尚、グローバル株式が堅調さを維持出来るならば、ドル円は「利上げ観測(ドル高圧力)+ 株高(円売り圧力)」を背景に今年最高値を起点としたレジスタンスライン(今週は103.80→103.30レベルで推移)および一目/雲の上限(105.00レベル)を突破する展開を想定したい。

しかし、2016年に入りドル高(=米利上げ)は株安要因として認識されている。事実、26日の米株は利上げリスクを意識し終盤に失速した。「9月利上げ確率の高まり→ドル高リスクの再燃→グローバル株式市場の下落」というリスクシナリオを常に警戒すべきだろう。このシナリオが現実化すれば、ドル高と株安のダブルパンチにより、クロス円を中心に円高圧力が強まろう。クロス円が崩れればドル円の上値が圧迫され(円高圧力>ドル高圧力)、上記のテクニカルポイント(=レジスタンスライン&一目/雲)で引き続き上値がレジストされる展開が想定される(日足チャート参照)。


【ドルインデックスチャート】青ライン:200日MA

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【ドル円チャート】

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