イエレン講演まではレンジ相場を想定

Market Overview

先週の外為市場では、FEDの利上げ観測とECBの金融緩和強化観測が同時に後退したことでドル安が加速した。今週の焦点は、ジャクソンホール会議におけるイエレン講演(8月26日)となろう。ただ、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の内容を鑑みるに、イエレン議長が明確な利上げのシグナルを発信してくる可能性は低い。外為市場ではイベントリスク(=ジャクソンホール会議)が意識されドル安圧力が後退する局面が散見されるだろう。しかし、再びドル高へ転じるには、来週発表される米重要指標データを待つ必要がある。

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Analyst's view

ドル高が再燃するならば来週以降

米ドルの方向性を示すドルインデックスは、再び200日MAでレジストされ反落。ダドリー NY連銀総裁とウイリアムズサンフランシスコ連銀総裁がそろって「9月利上げ」に対して積極的な発言をしたことが材料視され、ドルインデックスは5月3日安値91.91を起点とした短期サポートラインをかろうじて維持した(一時下方ブレイクする局面あり)。しかし、FEDサイドのタカ派発言を受けて尚、市場の利上げ予想(=FED Watch:12.0% 金利市場:16.5%)が低迷し、且つドラギECBによる早期の金融緩和強化の可能性が後退した現状では、外為市場でドル高圧力が再び強まるならば、それは利上げの確たる証拠の確認、つまり来週以降の米指標データ(PCEコア・デフレーター/ ISM製造業景況指数 / 雇用統計)の良好な内容を確認した後だろう。
 

それぞれの焦点 / 注目ポイント

ユーロドルは1.14台への再上昇および維持が焦点となろう。テクニカル面ではトライアングル上限の突破に成功し、上昇(=ユーロ高 /ドル安)シグナルが点灯している。FEDの利上げ観測とECBの金融緩和強化観測が同時に後退している絶好のタイミングで1.14台への再上昇を果たすことが出来なければ、このレベル(1.14)は年後半を通して重要レジスタンスポイントとして意識されよう。逆にローソク足の実体ベースで1.14台を突破&維持することに成功すれば、今年最高値(1.1616)を視野に上値トライのムードが強まろう。

資源国&新興国通貨は、対ドルで一進一退の攻防が想定される。今週はドル高圧力が過度に強まる可能性は低い。よって、ドル高リスクを背景に国際商品市況が大きく崩れる可能性も低いだろう。ただ、ジャクソンホール会議が意識されることで過度のドル安も見込めない。むしろドルのショートカバーが散見されることで、資源国&新興国通貨の圧迫要因となる局面があろう。また、産油国間における生産調整期待を背景に7連騰中の原油相場にも利益確定売りが出やすい状況にある点も考えるならば(この点では24日の米石油在庫統計に要注意)、資源国&新興国通貨の中でも原油相場との相関性が高いカナダドルやロシアルーブルの変動幅が他の通貨ペアと比べ拡大する可能性があろう。

ドル円も99.50-102.00のレンジ相場をメインシナリオとしたい。ジャクソンホール会議が控える中ではグローバル株式の変動幅も限られよう。ただ、週後半はボラティリティの拡大を警戒したい。26日の国内消費者物価指数(CPI)でデフレ懸念が強まれば、市場は日銀による「9月の金融緩和強化」を意識しよう。この場合「株高 / 円安」が想定される。逆に市場予想を上回るインフレ率の上昇が確認された場合は、「9月の金融緩和強化」観測の後退を背景に円高圧力が強まろう。その後は、イエレン講演の内容次第で米株のトレンドに右往左往する状況となろう。ドル円の上値焦点は、日足の一目/雲とクロスしているレジスタンスライン(105.20→104.75)の突破。一方、下値の焦点は、先週相場をサポートし続け且つ厚いビッドの観測がある99.50レベルおよび「BREXITショック」時の安値99.00となろう。


【ドルインデックス日足チャート】

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