遠のくドル高リスク

Market Overview

18日の海外外為市場は、ドル安優勢の展開となった。この日公表された欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では、政策変更を急がないスタンスであることが判明。ユーロドルはユーロ売りリスクの後退とドル安継続を背景に、6月24日以来となる1.1366レベルまで上昇した。ユーロ円も113円ミドルを挟んで底堅い展開となった。一方、ドル円はドル安圧力を背景に100円を挟んでの攻防が継続した。

他の市場動向だが、欧米株式市場は米利上げリスクの後退と原油相場の続伸を背景に底堅い展開に。原油先物相場(WTI9月限)は産油国間同士における生産調整期待を背景に大幅続伸(終値:48.22 前日比:+3.1%)。米国債券市場では、先日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の公表後の流れを引き継ぎ、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りが0.70%台まで低下した。

bg_usd dollar united states new 3

Analyst's view

昨日公表されたECB理事会議事要旨では、「BREXIT」ショック後の落ち着いた市場状況を踏まえ、現時点での政策変更に関しては時期尚早であり、イエレンFRB同様、今後数か月の間に得られる情報を評価する必要性を強調してきた。17日に公表されたFOMC議事要旨が早期利上げの思惑を強める内容ではなく、またECB理事会議事要旨が早期の金融緩和強化観測を強める内容ともならなかったことで、筆者が懸念していた欧州通貨売りを震源としたドル高リスク再燃の可能性は遠のいた。

ドルインデックスが200日MAにレジストされ、6月23日安値(93.01)を起点とした短期サポートラインのみならず、5月3日安値(91.91)を起点としたサポートラインをも下方ブレイクしていることからもわかるとおり、テクニカル面でもドル安トレンドが加速するシグナルが点灯している(ドルインデックスチャート参照)。

目先の外為市場は、ドル安を軸に①欧州通貨の買い戻し、②資源国&新興国通貨の堅調地合い(対ドル)が想定される。①に関しては、トライアングルの上限を突破したユーロドルが1.14台の維持に成功するかどうか、この点が焦点となろう。今年4月以降、このレベルには到達するがその滞空時間は短い状況が繰り返されている(ユーロドルチャート参照)。現在の域内経済の状況と今後の政治リスク(選挙 / 国民投票リスク)を考えるならば、今ユーロを積極的に買う材料は見当たらない。このような状況の中での1.14台維持の成功は外部要因に頼ったユーロ高、つまりドル安の恩恵を受けたユーロ高と捉えたい(「1.14台維持=ドル安継続シグナル」とも言える)。②に関しては、ドル安が国際商品市況のポジティブ要因となることで堅調地合いを維持しよう。タイミング良く産油国間同士における生産調整への期待が原油相場のサポート要因になっている点も考えるならば、原油相場との相関性が高いカナダドル、ロシアルーブルといった通貨が対ドルで続伸する可能性が高い。

一方、円相場だが、円高後退圧力の鍵はクロス円にあろう。「ドル安継続→株高維持→クロス円での円安圧力増大」というトレンドが鮮明となればドル円でのドル安圧力が相殺され(円安 vs ドル安)、目先は100円を挟んだレンジ相場を形成する可能性がある。


【ドルインデックス日足チャート】

fundamental_0819_01


【ユーロドル日足チャート】

fundamental_0819_02

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

IGアカデミー

無料のオンラインコースや各種ウエビナー、セミナーなど、IGが提供する豊富な学習プログラムを通じてトレードの方法を学び、トレードに関する知識を深めることができます。