ドル高リスクの再燃に要注意

Market Overview

良好な米雇用統計の内容を受け、ドルインデックスは短期サポートラインをトライすることなく反転。再び200日MAを突っかける展開となっている(チャート参照)。雇用統計に続き今週の米指標データでも良好な内容が続けば欧州との金融政策のコントラストが市場で意識され、外為市場では欧州通貨売りを震源地としたドル高トレンドが形成される可能性がある。2016年は「ドル高=株安」の関係が見られる。よって、ドル高の再加速が確認された場合は「株安→円高」の展開を警戒したい。

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Analyst's view

7月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は総じて市場予想を上回る内容(=非農業部門雇用者数:25.5万人  /  失業率【前月比】:4.9% / 時間当たり賃金【前月比】:+0.3%)となった。この内容に対して米国マーケットは「株高 / 米金利の上昇」で反応。外為市場ではドル買い優勢の展開となった。今週の焦点は、引き続き米指標データとドル相場となろう。カーニーBoEによる利下げと量的緩和の再開、ドラギECBの金融緩和強化観測の台頭(9月8日の理事会で緩和強化の可能性あり)、そして今月下旬にジャクソンホールを控えているタイミングで雇用統計に続き良好な米指標データの内容が確認されれば、米国と欧州勢の金融政策のコントラストが外為市場で意識され、欧州通貨売りを震源地としたドル高リスクが再燃する可能性があろう。

米金融政策の動向は2016年のリスクセンチメントを左右してきた。この点は、年初の「ドル高=株安」が、3月の米FOMC以降、米利上げペースの後退が確認されると同時に「ドル安=株高」の構図が鮮明となった事実が示唆している。再びドル高圧力が高まれば「ドル高→株安& 国際商品市況安」の展開が想定される。

一方、円相場では「ドル高 / 株安 / 国際商品市況安」のトリプルパンチによりクロス円を直撃しよう。特にユーロ円(EUR/JPY)及びポンド円(GBP/JPY)はくすぶり続ける金融緩和強化観測も合わさり、下落幅が拡大する可能性がある。これら通貨ペアはテクニカル面でも円高圧力が強まる可能性が示唆されている。ユーロ円はドル円(USD/JPY)と同じく、一目/雲(日足)で上値がレジストされ続け、強固なレジスタンスラインが形成されている。このラインを突破できない限り、ドル円同様、円高リスクを常に警戒したい。ポンド円も「BREXITショック」の乱高下時に、雲の上限(日足)で上値が見事にレジストされた経緯がある。

ドル円も引き続き円高リスクを警戒したい。雇用統計後のドル円は「株高 / 米金利上昇」にもかかわらず102.00レベルで上値がレジストされた。ドル円の上昇には理想的な状況だったにもかかわらず上昇幅が限定的だった点を考えるならば、上述したクロス円で円高圧力が強まれば、ドル円の100円割れの可能性を高めよう。もちろん短期的なショートカバー(=円売り局面)は散見されるだろう。だが、直近の動向を鑑みるなら一目/雲(日足)までの上昇が限界と想定したい。


【ドルインデックス 日足チャート】

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【ユーロ円 日足チャート】

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【ポンド円日足チャート】

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