リスク選好の土台未だ崩れず

Market Overview

12日の海外外為市場は、世界的な株高の連鎖を背景に急速に進行した円高の是正地合いがさらに加速した。ドル円(USD/JPY)は節目の105.00手前まで急伸(High:104.99)。ポンド相場も「BREXITショック」後の調整地合い(ショートカバー)が加速し対ドルで約2%、対ユーロで約1.9%そして対円では約4%の上昇率となった。また、世界的な株高は原油価格(WTI8月限)をはじめとした国際商品市況の反発を誘発。「株高+資源価格の反発」は対ドルでの資源国および新興国通貨買い圧力を強めた。一方、ドル相場に目立った方向性は見られず。ドルインデックスは引き続き200日MAで上値がレジストされる状況が続いた。

他の市場動向だが、米国株式市場ではダウ平均とS&P500指数が揃って過去最高値を更新。ナスダック総合株価指数は5日続伸した。一方、WTI8月限は世界的な株高に加え米原油在庫の減少やイラクの原油輸出減少8月分)の観測も合わさり急反発した(前日比+4.5%)。

bg_usdjpy_404123

Analyst's view

世界的な株高連鎖の状況が続いているが、中でも際立って強いのが米株である(パフォーマンス比較チャート①参照)。ダウ平均は2015年5月19日に付けた過去最高値を約1年2カ月ぶりに更新。また、S&P500指数も連日で最高値を更新している。株高に追随し、米債券市場では10年債利回りが6月30日以来となる1.53%台まで急伸する局面が見られた。

興味深いのはドル相場の動向だろう。米国マーケットで「株高+金利反発」が続いても、ドルインデックスは200日MAで上値がレジスト状態となっている。ドル相場の方向性に影響を与える米2年債利回りは「BREXITショック」前の水準すら回復出来ず、低空飛行が継続中。しかし、直近は5営業日連続の上昇となっており、少しはドル高圧力が強まってもおかしくない。だが、そうはならない現状が、米利上げ観測(懸念)の急速な後退を示唆している(パフォーマンス比較チャート②+参照)。だからこそ「株高・金利低空飛行・ドル高抑制(ドル安継続)」の状況となっているのだろう。

現在の株高連鎖は、各種要因(=「BREXITショック」後の調整、アベノミクスの再始動や米企業決算への期待、原油価格の反発)が重なり発生しているが、その(=リスク選好の)土台が「ドル高抑制(ドル安継続)」であることはこのレポートで再三指摘済み。ここが崩れない限り、株高基調は継続しよう(目下、ドル高圧力を強める要因は他通貨売り以外見当たらない)。円相場では急速に進行した円高を是正する状況が継続しよう。ドル円(USD/JPY)は短期レジスタンスライン及び攻防分岐の103.40レベルの突破に成功。次のターゲットは105.00のブレイクだろう。これをも達成した場合は、標準誤差回帰分析バンドの上限が推移している106.31レベルもしくはBREXITショック時の高値106.81レベルを視野にショートカバーが加速しよう。
急落したポンド相場も同様にショートカバーの圧力が高まろう。対ドルではすでにネックラインとして意識される可能性があった1.3200の突破に成功している。次のターゲットは「BREXITショック」後の戻り高値1.3534レベルとなろう。一方、対円は株高を背景に対ドル以上に上昇幅が拡大する可能性がある。目先は140円台への再上昇が焦点。テクニカル面では6-7月の高安のリトレースメント50.00%にあたる144.30前後までポンド売りが是正されるかが注目される。


【パフォーマンス比較チャート①(年初来)】緑:米株     赤:中国    黄:日本    青:欧州

fundamental_0713_01


【パフォーマンス比較チャート②(直近1ヵ月)】緑:ドルインデックス  黄:2年債利回り  赤:10年債利回り

fundamental_0713_02

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 市場参加者

    売りポジションの保有から取引をスタートする事により下落市場で利益を得たり、既に保有している金融資産のリスクヘッジを行うことができます。このセクションでは「売り」取引の仕組みについて学びます。

  • マーケット注文(ロット優先)

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。
     

  • オートチャーティスト

    アナリストがどのようにチャートを使っているのかを学び、投資家の行動を勉強し市場パターンを理解しましょう。利用可能な様々なチャートの使い方を学習し、チャートが示す価格パターンを確認します。