根強い「ドル安=株高」の構図

Market Overview

6日の海外外為市場は、NY時間に入りリスク回避の円買いが一服する展開となった。この日発表された6月の米ISM非製造業景況指数は56.5(昨年11月以来の高水準)と、市場予想の53.3および前月の52.9を上回る内容となった。米株式市場が素直に株高で反応したことで、外為市場では円買い圧力が後退。ドル円(USD/JPY)は安値100.20レベルから101.46レベルまで反転。クロス円も総じて円安優勢で推移した。一方、米株高はドル高圧力の後退にもつながり、東京時間に一時1.28割れの局面すら見られたポンドドル(GBP/USD)だったが、NY時間は1.29台を維持する状況が続いた。

他の市場では、上記の米株高およびポンドのショートカバーを背景に原油価格(WTI8月限)が反発(前日比+1.78%)。しかし、NY金先物が続伸する展開をみるに、「BREXITショック」の波及懸念が完全に払しょくされたわけでないことがわかる。

米債券市場では、「株高+原油価格反発」を背景に各ゾーンの利回りが反発。ただ、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.57%台を挟んで小幅な反発にとどまった。

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Analyst's view

昨日の米国株式市場は、主要3市場がそろって反発した。日欧株式下落の影響を受けることなく米株が底堅く推移した要因は、上述したISM非製造業景況指数の良好な結果だった。

面白いのは、良好な米指標データを背景に米株高圧力が強まっても、外為市場ではむしろドル売り圧力が強まった点だ(=ドルインデックスチャート及び 比較チャート参照)。これは、筆者が指摘し続けている「ドル安=株高」の構図が3月の連邦公開市場委員会(FOMC)以降、未だに続いていることを示している。
また、昨日の米国マーケットはもうひとつ重要な事実を示している。それは、「直近は良好な指標データが続いている。しかしイエレンFRBに早期利上げを促すほどのインパクトはない」という点だ。だからこそ米株は素直に株高で反応しても、米金利の反発は限定的だったのだろう。それ故、外為市場では「他通貨買い圧力>ドル買い圧力」の状況になったと考えられる。

本日も米雇用関連指標が良好ならば、米株は素直に株高で反応する可能性が高い。外為市場では「リスク選好のドル売り」となるか、この点が焦点となろう。「ドル安=株高」の展開が続けば、投資家のリスク許容度が一時的に増すことで、ポンドのショートカバーが継続するだろう。また、ドル安は原油価格をはじめとした国際商品市況の続伸要因にもなり得る。このため、資源国通貨や新興国通貨も対ドルで買い優勢の展開となる可能性があろう。ただ、明日は米雇用統計(6月)が控えている。このためリスク選好優勢となっても、株式市場やリスク性の高い通貨の上昇幅は限られる可能性があろう。


【ドルインデックス日足チャート】青ライン:200日MA

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【比較チャート(5分足)】赤ライン:S&P500指数 緑ライン:ドルインデックス

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