焦点は米指標データとドル相場のトレンド

Market Overview

27日の海外外為市場は、「英国ショック」の余波を背景に円高優勢の展開となった。ポンド円(GBP/JPY)は24日に続き133.35レベルまで下落。ユーロ円(EUR/JPY)も111.38レベルまでユーロ安 / 円高が進行した。一方、欧州通貨売りの受け皿として米ドルが選好され、米ドル相場(=ドルインデックス)は3月28日高値96.40レベルを突破し、今年最高値99.83レベルを起点としたレジスタンスラインより1.7%上の水準(96.70前後)まで上昇する局面が見られた(2%以上の乖離ならドル高転換の可能性を意識)。ドル円は円高とドル高のせめぎ合い相場となった。しかし、リスク回避を背景とした円高圧力の方が勝り、102.00を挟んで上値の重い状況が継続した。

週明けの海外株式は総じて下落。特にリスク回避の震源地となった欧州株式の下落幅拡大が目立った(ストック欧州600はマイナス4.0%超の下落率)。一方、米株も主要3市場が揃って下落。ダウ平均は3月11日以来となる安値水準(17,063.08ドル)まで下落する局面が見られた。

株式の下落は欧米債券市場への資金シフトを促した。独10年債利回りは24日に続き、終始マイナス圏で推移する展開に。米利回りも各ゾーンで低下圧力が強まった。原油価格(WTI8月限)も続落。一時45ドル台まで下落する局面が見られた。

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Analyst's view

上述した通り、米ドル相場の方向性を示すドルインデックスはレジスタンスラインを完全に突破する状況となっている。ただ、現在のドル高の主因は米利上げ観測ではなく、主に欧州通貨売りの受け皿として米ドルが選好されているに過ぎない。ファンダメンタルズ面で買う材料が見当たらない欧州通貨だが、行き過ぎた相場の後は得てしてショートカバーが入りやすい。各国中銀による臨時的な金融政策への期待も株式市場での短期的な反発を誘発し、その結果、調整的な欧州通貨の買い戻しが入る展開も想定される。よって、欧州通貨売りに頼った現在のドル高が長期的な上昇基調を維持する可能性は低いだろう。

中長期的なドル高トレンドの形成には、米利上げ観測の再台頭が必須条件となろう。この条件のクリアは米指標データ次第だろう。今日以降、米国経済の現状と将来の見通しを見極める上で重要な指標データが順次発表される。英国のEU離脱に対するイエレン議長の証言を鑑みるに、FEDは金融政策の方向性を決定する上で米指標データの内容に軸足を置く可能性が高い。よって、総じて良好な指標データの内容は米利上げ観測を再台頭させよう。それに伴い外為市場では米金融政策に根差したドル高へシフトしよう。
ドル相場が上記の展開へシフトした場合、注視すべきは株式市場の動向だろう。すでにこのレポートで指摘してきたとおり、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)以降、グローバル市場は「ドル安=株高」「ドル高=株安」の構図が鮮明となっている。「英国リスク」から「EUリスク」へと伝播する懸念が高まっているタイミングで、その懸念の相殺要因であるドル安が終焉すれば、グローバル株式市場はさらに混迷の度合いを深める可能性が高まろう。そして外為市場ではドル高以上に円高圧力が強まろう。

【ドルインデックス日足チャート】

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