英国イベント後の焦点

Market Overview

21日の海外外為市場は、対欧州通貨&円でドル高優勢の展開となった。EU離脱リスクを巡り様々な観測が交錯していること、そしてドラギECBによる緩和強化観測を背景にユーロは対ドルで1.1240レベルまで下落。対円でも117.50台までユーロ安が進行した。ショートカバーが続いていたポンドも対ドルで下落し、1.48レベルでのポンド売り圧力の強さを再確認する展開に。一方、ドル円(USD/JPY)は欧米株式の続伸と米金利の上昇が合わさり、105円台へ再上昇する局面が見られた(High:105.06)。ただ、株式市場の上昇幅が限られ、且つドルショートカバーの影響(=クロス円の下落の影響)もありすぐに104円台へと反落。本日早朝は104.70台でのスタートとなった。

この日の原油価格(WTI7月限)は、英国リスクと本日発表される米週間石油在庫統計を意識した売り圧力が強まり小幅に反落(前日比:-1.05%)。米金利は株高を背景に各ゾーンで上昇。金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは10日以来となる0.77%台まで反発する局面が見られた。

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Analyst's view

昨日の海外外為市場でポンドドル(GBP/USD)とユーロドル(EUR/USD)は揃って反落。前者は1.48レベル、後者は1.14レベルが上値の攻防分岐であることを再確認する展開となった。

英国の国民投票に関し、調査会社サーべーションが21日公表した最新の世論調査では、残留支持が前回から横ばい(45%)だった一方、離脱支持が増加(42%→44%)したことが判明。EU離脱の是非を巡り英国世論は相変わらず揺れ動いているが、①今週に入りポンドやユーロの買戻し圧力が強まっていること(対ドル&ユーロのパフォーマンスはむしろプラス圏へ、比較チャート参照)、②資源&新興国通貨への買い圧力が強まると同時に円安優勢の展開となっていること、③欧米株式が続伸基調を維持していること、そして④VIX指数(S&P500)が20ポイント以下で推移していることを考えるならば、マーケットのベースシナリオは「英国のEU残留」。また、イエレンFRB議長が追加利上げに対して慎重姿勢を維持していることも考えるならば(21日、米上院銀行委員会)、6月中は「ドル安」が継続する可能性が高い。そしてこの点は非常に重要だ。何故なら英国イベント後、次の主要テーマとして浮上してくるのが、「ドル相場のトレンド」である可能性が高いからだ。そのドル相場は、ドルインデックスが示す通りドル安基調が継続している(=レジスタンスライン以下での推移が継続中)。ドル安は今年3月以降、株高要因となっている点はすでに指摘済み。ドル高圧力を再び強める要因はやはり「7月利上げ観測」の台頭であり、そのきっかけは良好な6月の米指標データ、特に良好な雇用統計となろう。それが確認されるまでは、リスク選好の土台であるドル安が継続することが想定される。故にグローバル株式と国際商品市況はドル安を背景に堅調に推移しよう。そして外為市場では、資源国通貨や新興国通貨買い圧力が強まろう。また、欧州通貨ではポンド相場に注目したい。英国イベントを乗り切り且つドル安継続となれば、対ドルでは上述した1.48レベルを突破し、2015年のレジスタンスポイント1.58レベルまで上昇する可能性があろう。一方、ユーロもポンド高に追随し1.16レベルまで急伸する可能性がある。ただ、その後はドラギECBの緩和強化観測を背景に「リスク選好のユーロ売り」の展開が想定される。ポンドとユーロの連動性は一過性で終わる可能性がある点には要注意。

一方、円相場はクロス円での円安がドル円(USD/JPY)をどこまでけん引出来るか、この点が焦点となることは指摘済み。昨日は105円台の回復に成功したが、ネックラインとして注目される105.55(5/3安値)すら突破出来ないようでは、直近安値103.55の下方ブレイクを常に意識したい。


【比較チャート:ポンド相場 6月の騰落率】※基準日:2016年6月1日、パフォーマンスは執筆時時点(8時30分)

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