英国リスク、ドル高リスクそして中国リスク

Market Overview

13日の海外外為市場は英ポンドが上下に激しく振れる展開となった。英国のEU離脱を巡り様々な観測が飛び交う中、ポンドは対ドルで4月14日以来となる1.4115レベルまで急落する局面が見られた。その後はショートカバーの展開となるも、1.43台で上値がレジストされて以降は再びポンド売り優勢の展開に。対円でも心理的節目の150.00を割り込み149.47レベルまで急落する局面が見られた。英ポンドのショートカバーに連動し、欧州タイム後半以降はユーロも反発基調を強めた。ユーロドル(EUR/USD)は1.1240前後から1.13台まで再上昇する局面が見られた。一方、ユーロ円(EUR/JPY)も約3年ぶりとなる119.00レベルまで急落後、120.32レベルまで買い戻される局面が見られた。

英国のEU離脱リスクが意識される中、週明けのグローバル株式はリスク回避一色の展開となり、欧米株式は3日続落。米金利も低空飛行が継続し、金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは0.7100%と5月9日以来の水準まで低下した。

原油価格(WTI7月限界)も続落する展開に。英国のEU離脱リスクに加え、この日発表された中国の指標データが冴えない内容となったことも材料視された。

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Analyst's view

英国のEU離脱リスクが意識され英ポンドとユーロには売り圧力が強まっている。世論動向は各調査会社で内容に差異が見られるものの、英国の公共放送局BBC(YouGov調査)によれば国を二分している状況は明白であり、今後の観測報道次第でポンド相場やユーロ相場は昨日同様大きく振れる展開となろう。離脱派の勢いがさらに増せば、ポンドドル(GBP/USD)は心理的節目の1.40をトライする展開が想定される。一方、ユーロドル(EUR/USD)は、3月10日の大陽線安値1.0821を起点とした短期サポートライン(今日現在1.1155前後)を視野に下落幅が拡大しよう。
また、リスク回避局面では円高圧力も増そう。特に注視すべきはポンド円(GBP/JPY)及びユーロ円(EUR/JPY)。目先、前者の下限は昨年の最高値195.88レベルからのリトレースメント61.80%にあたる147.04レベルとなろう。一方、後者のそれは、2014年の大天井149.57からのリトレースメント61.80%にあたる115.30レベル(=115円台の維持)となろう。

目下、リスク回避圧力の相殺要因となり得るのは「ドル安」である。しかし、本日より開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)で経済見通しの上方修正及び「7月利上げシグナル」を発信してくれば、その相殺要因が新たなリスク要因(=ドル高リスク)となってグローバル市場を直撃する可能性がある。

その場合、注視すべきは中国市場の動向だろう。人民元相場は5月のドル高回帰以降、対ドルで人民元安が進行中。オフショア人民元(USD/CNH)は5月高値6.5989レベルを更新し、2月4日以来となる6.60台の水準まで低下している(オンショアとの乖離も拡大中)。また、中国株式市場のパフォーマンスも気がかりだ。下の比較チャートで確認すると、リスク選好の先導役である米国株式はもちろん、世界株式(MSCI)との乖離幅も拡大傾向にある。この状況でドル高回帰となれば、人民元相場がさらに不安定化する可能性があろう。人民元相場がそのような展開となれば、中国の株式市場も不安定化しよう。英国の動向次第では、欧中がリスク回避の震源地となる可能性も否定できない。よって、円相場は引き続き円高リスクを警戒すべきだろう。ドル円(USD/JPY)は105円トライの展開を常に意識しておきたい。


【中国人民元チャート(対ドル)】青:オンショア(CNY) 赤:オフショア(CNH)

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【株式パフォーマンス比較チャート】緑:米株 黄:世界株式 青:日本 赤:中国

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