リスク選好への反応が鈍い円相場 

Market Overview

16日の海外外為市場は、円売り優勢で推移する局面もみられが、全体的には方向感に欠ける動きとなった。ドル円(USD/JPY)は109円台へ再上昇するも109.10手前で上値がレジストされた。
一方、ドル相場は売り買いが交錯する展開に。この日発表された米指標データ(5月ニューヨーク連銀製造業景気指数:-9.02 / 同月NAHB住宅市場指数:58)は市場予想(6.50 / 59)をともに下回る内容となったが、米株の急反発(要因は原油価格の反発とバークシャー・ハザウェイによるアップル株保有の開示)を受け各ゾーンの利回りに上昇圧力が強まったことで、ドル売り圧力が相殺された。ユーロドル(EUR/USD)は1.13前半でのレンジ相場を形成、他のドルストレートでも大きな値動きは見られなかった。

尚、欧米株高の一因となった原油価格(WTI6月限界)は、米国での石油採掘装置(リグ)の稼働数が減少傾向にあること、ナイジェリアでの石油生産施設の攻撃そして米金融大手による過剰供給状態終了のレポート等が意識され、昨年11月4日以来となる47.98ドルまで上昇する局面が見られた。

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Analyst's view

原油価格(WTI6月限)は、節目の50ドルを視野に上昇基調を維持していることが好感され、昨日の欧米株式市場では再びリスク選好優勢のムードが台頭した。2月中旬以降のリスク選好回帰も原油価格の反発が起点となったが、昨日も同様の展開となった。投資家のリスクセンチメントを示すVIX指数は3月以降、13-17ポイントのレンジを形成中(高値は今年1月20日の32.09)。

気になるのは、これらリスク選好の動きにもかかわらず円相場での円売り反応が限定的となっている点だろう。昨日のドル円(USD/JPY)は、直近の重要レジスタンスポイント109.50レベルすらトライ出来ずに失速。5月以降のドルインデックスの反発というサポート要因すら活かし切れていない状況に、水面下でくすぶる円高リスクのマグマを感じる。それはクロス円にも言える。上記の通り2月中旬以降、リスク選好回帰の起点となっている堅調な原油価格にもかかわらず、資源国通貨の代表格である豪ドル円(AUD/JPY)は昨年末と比較し約9.3%円高となっている。また、原油価格との相関性が高い加ドル円(CAD/JPY)も4月下旬に1.8%の加ドル高となった後、約2.7%の円高へ転じている。ドル円(USD/JPY)、クロス円ともに4月下旬以降円高圧力が強まっているが、これはグローバル株式市場が下落基調を形成し始めたタイミングと一致しており、やはり円相場のトレンドは海外市場動向にあると言えるだろう。

本日は、米英の重要指標データがグローバル株式市場の変動要因となる可能性が高い。また、オーストラリア準備銀行の金融政策会合議事要旨公表(10時30分)は豪ドル相場の変動要因として注視しておきたい。


【比較チャート:円相場(マイナス=円高)】赤ライン:CAD/JPY 緑ライン:AUD/JPY 黄ライン:USD/JPY

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