ドル相場反転の鍵は米金利の動向に

Market Overview

21日の海外市場は、リスク選好トレンドが小休止状態となった。この日の原油価格(WTI6月限)は利益確定売り優勢の展開となり、小幅に反落。これを受け、外為市場では資源&新興国通貨が対ドルで軟調地合いに。特に原油価格との相関性が高いロシアルーブルやノルウェークローネの下落が目立った。
この日の外為市場で値動きが荒かったのがユーロ相場だった。欧州中央銀行(ECB)が政策維持を発表するとマーケットのファーストリアクションはユーロ買い。しかし、ドラギ総裁の発言内容が伝わると一転してユーロ売りの展開に。ユーロドル(EUR/USD)は1.1400で相変わらず上値がレジストされた。また、ユーロ円(EUR/JPY)も節目の125.00手前で売り叩かると、123円ミドル割れの水準まで急落した。
円相場は総じて円高優勢の展開に。原油価格の反落に加え欧米株式も軟調地合いとなったことでクロス円を中心に円高圧力が強まった。ドル円(USD/JPY)は109円ミドルを挟んでこう着状態が続いた。

一方、米金利は各ゾーンで上昇した。この日発表された新規失業保険申請件数が1973年以来の低水準となったことが背景にある。米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは3月29日以来の水準(0.805%)まで反発している。

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Analyst's view

市場トレンドの牽引役は、引き続き原油価格を含めた国際商品市況(CRB指数)にある。この点は、欧米市場の反落と外為市場での資源国&新興国通貨売り・円買いが示唆している。

国際商品市況の他に筆者が注視しているのが、ドル相場のトレンドであることは既にこのレポートで指摘済み。直近のトレンドをドルインデックスでトレンドを確認すると94.00レベルで次第に底固めのムードが強まっている(チャート画像参照)。ただ、ドル高へ反転するムードまでは感じられない。その主因は米金利の動向にあろう。米国株式(MSCI)と金融政策の方向性に敏感な2年債利回りの動向を比較すると、3月中旬まで正の相関関係にあった両市場が、一気に負の相関関係に転じて以降、そのかい離は拡大傾向にある(比較チャート画像参照)。この乖離が、2年債利回りの上昇によって縮小される傾向が鮮明となれば、ドルインデックス(ドル相場)は上昇基調を強めよう。ただ、株高のみでこの乖離を完全に埋めることはできない。それには、やはり利上げ観測の再台頭が求められよう。乖離の拡大は、イエレンFRBのハト派スタンス表明がもたらした現象だからだ。

来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、ドル相場のトレンド転換の可能性を探るイベントとなろう。直近の米指標データを見る限り、今回のFOMCのベースシナリオは「ハト派スタンスの維持」だろう。それ故「6月利上げの可能性」を示唆してくるならば、米金利は上昇圧力を強めよう。そして外為市場では3月以降からのドル安トレンドに一度終止符が打たれる可能性がある。その場合、円相場のトレンドは「ドル高懸念→国際商品市況反落→株式市場反落」を背景に、まずはクロス円を中心に円高圧力が強まる展開が想定される。ドル円(USD/JPY)はクロス円の下落に上値が抑制されよう。国際商品市況と株式市場の混乱が長引けば、米金利の上昇を抑制しよう。この展開となればドル円(USD/JPY)までが崩れ、円相場全体で円高ムードが強まろう。


【ドルインデックスチャート(日足)】

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【比較チャート】緑ライン:米国株式(MSCI)赤ライン:米2年債利回り

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