リスク選好継続の鍵はドル相場にあり

Market Overview

19日の海外市場は、総じてリスク選好優勢の展開となった。この日の原油価格(WTI5月限)は前日比3%を超える大幅反発となった(終値:41.08)。これを受け欧米株式市場も資源関連株を中心に上値トライの展開に。英国FTSE100指数は今年最高値を更新し、S&P500種株価指数は4カ月ぶりの高値水準まで上昇した。

「原油価格反発+株高」を背景に外為市場でもリスク性の高い通貨が選好され、資源国&新興国通貨が対ドルで堅調に推移した。この動きは他のドルストレートでのドル安圧力を強めたため、円相場はクロス円を中心に円安優勢の展開となった。一方、ドル円(USD/JPY)はクロス円の上昇がドル安圧力の影響を相殺する展開に。109円前半でこう着状況の中、本日の東京時間を迎えている。

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Analyst's view

原油価格(WTI5月限)は再び40ドル台を回復。クウェートでのストライキやナイジェリアでの石油施設の操業休止が過剰供給懸念の後退観測を強めたことが背景にある。国際商品市況(CRB指数)も再び178.00レベルを再トライする状況となっている。これらの動きに連動し、欧米株式市場も上値トライが継続中。「商品高+株高」の状況の中、外為市場で資源国&新興国通貨が選好されるのは、今年2月中旬以降に発生したリスク選好のパターンである。

ただ、3月以降は「商品高」の他にもう一つの「リスク選好の軸」が出来上がっている。それが「ドル安」だ。2月中旬から3月に入るまでのドル相場は「ドル高」トレンドだった。しかし3月以降、米利上げペースの減速観測を背景に「ドル安」トレンドが形勢されると同時に株高傾向が加速していることがわかる(比較チャート①参照)。
筆者は、2月中旬から続くリスク選好トレンドが転換する要因として①原油価格の再下落、②冴えない米企業決算、そして③ドル高の再来を指摘してきた。しかし目下のところ、①の要因はドーハ会合での増産凍結協議が頓挫してなお堅調さを維持し、②のそれは強弱まちまちながらもファクトセットの調査によれば前週末時点で米主要500社の利益は市場予想を5.1%上回る状況となっている。よって、再び台頭しているリスク選好トレンドが今後も継続するのかそれとも転換するのか、この点を左右する重要材料として注視すべきは③ということになろう。ドル高が再来するには米金利の上昇が不可欠だが、その米金利は昨日も指摘した通り株高に連動するかたちで今月7日以降上昇基調へと転じている。
ただ、米株と金融政策の方向性に敏感な2年債利回りとの乖離が広がっている点を考えるならば(比較チャート②参照)、外為市場でのドル高圧力を強めるほどのインパクトはない。そのインパクトが強まるならば、やはり来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)だろう。

【比較チャート①:ドルインデックスと米株】赤:ドルインデックス 緑:米株(MSCI)

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【比較チャート②:米金利と米株】赤:米金利(2年債利回り) 緑:米株(MSCI)

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