目先の焦点は米指標データとドル相場の反応

Market Overview

30日の欧州外為市場では前日のイエレン発言を受けドル売り優勢の展開となった。しかし、NYタイムでは一転してドルショートカバー優勢の展開へ。ユーロドル(EUR/USD)は2月11日以来となる1.1365レベルまでドル安が進行。ドル円(USD/JPY)はドル売り圧力がリスク選好を背景とした円売り圧力に相殺され、112円ミドルを挟んでのレンジ相場が継続した。
欧州株式市場は総じて堅調に推移。米金融引締め懸念の後退とドル安を背景にNYダウは3ヵ月ぶりの高値圏で取引を終了した。
一方、原油価格(WTI5月限)は、米週間石油在庫統計でガソリンやヒーティングオイルの在庫が減少したことが好感され買い優勢の局面が見られるも、産油国間同士における増産凍結合意への不透明感も根強く、40ドルを前に上値がレジストされた。

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Analyst's view

直近のNY原油先物相場(WTI5月限)は40ドル手前で上値の重い状況が続いている。筆者が懸念している原油相場の不安定化が再び発生するかどうかは、来月17日にカタールの首都ドーハで開催予定となっている増産凍結協議の結果次第となろう。それまではドル相場をにらみながらの神経戦が継続する可能性がある。ただ、テクニカル面では日足の一目/転換線(下図チャート緑ライン)がサポートラインからレジスタンスラインへ転じていることが気がかりだ。特に昨日は、長い上ヒゲが出現してのレジストとなっている。このようなテクニカル面に加え、増産凍結協議への不透明感が強まっているタイミングで良好な米指標データが続けば再び米金融引締めへの思惑が台頭すること(=ドル買い圧力が強まること)で、NY原油先物相場は短期的に35ドルレベルまでの調整売りが想定される。

ドル相場のトレンドを左右する可能性が高い米指標データだが、目先は雇用関連指標に注目が集まるだろう。焦点は4月1日発表の雇用統計(3月)だが、直近の米株が「米金融引締め懸念後退=ドル安」を背景に続伸する展開となっている以上、強すぎる内容(=30万人近い雇用増/ 失業率の更なる低下 / 平均賃金が市場予想以上に拡大)はむしろリスク回避要因(=株安 / 原油安要因)として警戒したい。外為市場ではドル高圧力が強まるだろうが、それはリスク回避の結果であることから、円相場はクロス円を中心に円高圧力が強まるだろう。USD/JPYは円高圧力がドル高圧力を凌駕し111円台の攻防へシフトする展開が想定される。

また、資源国&新興国通貨の動向にも警戒したい。強すぎる米雇用統計に加え、同日に発表される中国の指標データまでが総じて市場予想を下回るようならば、原油相場の急落を誘発しかねない。上記の35ドルレベルをも下方ブレイクする展開となれば、カナダドル、ロシアルーブルといった原油相場との相関性が高い通貨には最も売り圧力が強まろう。

【NY原油先物相場(WTI5月限)日足チャート】一目均衡表

原油チャート

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