しばらくはリスク選好回帰ムードの継続を想定

Market Overview

この日の連邦公開市場委員会(FOMC)でイエレンFRBは利上げを見送った。また今年の経済見通しが下方修正され、且つ利上げペースの鈍化観測も台頭する等、総じて「ハト派のFOMC」となった。

今回の内容を受け米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りは1.0%から0.8590%まで急低下。各ゾーンの金利にも低下圧力が強まった。米金利の低下は外為市場でのドル売り圧力を強めドルインデックスは2月12日以来となる95.53レベルまで急落する展開に。一方、米金融引締め懸念の後退は原油価格の押し上げ要因となり、資源国通貨は対ドルで堅調に推移。特に原油価格との相関性が高いロシアルーブルは2%以上上昇した(対ドル)。同じく加ドルも1.9%上昇する展開となった(対ドル)。
円相場は、ドル相場全体の下落を背景にクロス円を中心とした円安基調が強まった。ただ、ドル円(USD/JPY)はドル売りとクロス円での円売りに挟まれ、112.00-114.50のコアレンジを維持する展開となった。

チャート

Analyst's view

公表されたFOMC声明では、「企業の設備投資の軟化(business fixed investment….have been soft)」に言及し、前回会合から下方修正してきた。且つ「国際経済と金融市場の動向が引き続きリスク要因となっている(global economic and financial developments continue to pose risks)」と、「世界経済と金融市場の動向を注視(The Committee is closely monitoring global economic and financial developments)」とした前回声明から警戒レベルを引き上げてきた。また経済見通しでは今年の成長率とインフレ率をともに引き下げ、且つ利上げペースも従来想定されていた4回から2回に鈍化する可能性が高まった。総じて「ハト派のFOMC」となったことでグローバル市場は上記のファーストリアクション(=米金利低下→ドル売り→原油価格反発→資源国通貨買い)となった。

日米欧が揃ってハト派スタンスを示したことで、原油価格をはじめとした国際商品市況は中国リスクの再台頭、特に人民元相場での急落が再来しないかぎり、堅調に推移する可能性が高まってきた。そして、国際商品市況の安定化はグローバル株式市場でのリスク選好回帰への継続を意味することから、外為市場では引き続き資源国通貨買いトレンドを想定したい。
円相場は、上記のリスク選好相場の継続に加えドル相場の軟調地合いが合わさることで、しばらくはクロス円を中心に円売り優勢の展開が想定される。USD/JPYはコアレンジ112.00-114.50の攻防継続を想定。どちらか一方にレンジブレイクとなっても、111.00もしくは115.00までのトライが限界だろう。

ユーロ相場は対資源国通貨で売り優勢となる一方、対ドル&円は株式動向次第となろう。特にユーロ円(EUR/JPY)はその傾向が強くなろう。テクニカル面では目先、1月29日高値132.36を起点とした短期レジスタンスラインでの攻防が注目される。このラインを突破した場合は128円台への再上昇が次の焦点として浮上する一方、レジストされた場合は122円台を視野に再び下落基調へ転じる可能性を意識したい。尚、中国人民元以外で注視すべきリスク要因(=株安 / 原油安要因)は、米指標データとなろう。

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