強弱まちまちのドル相場

Market Overview

17日の海外外為市場はドルの売り買いが交錯する展開となった。米国株式が続伸し、イランのザンギャネ石油相がサウジアラビアやロシアなど4産油国による相場安定への行動に支持を表明したことが好感され原油相場も反発したことで、米金利は各ゾーンで上昇する展開となった。しかし、米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日公表した連邦公開市場委員会(FOMC、1月26-27日開催)議事録が米国経済の下振れリスクを警戒する内容となったことで、ドルは主要通貨に対して強弱まちまちの展開に。対円&ユーロではレンジ相場の様相を呈する一方、対資源国通貨及び新興国通貨では総じて軟調地合いとなった。尚、メキシコ中銀はこの日、予想外にも政策金利を50ベーシスポイント引き上げることを決定。これによりメキシコペソは対ドルで3%超上昇した。

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Analyst's view

原油相場(WTI)と国際商品市況(CRB指数)はともに、チャート上の攻防分岐をトライする状況が続いている。だが、17日のレポートでも指摘した通り、「増産凍結」ではなく「減産」でなければ供給過剰懸念は後退しないだろう。よって、現在の原油相場(WTI)と国際商品市況(CRB指数)の反発は、行き過ぎた下落の調整局面と捉えたい。ただ、両指数ともテクニカル面でダブルボトム形成の兆しも出ている(WTI:26ドルレベル / CRB指数:155ポイントレベル)。両指数とも攻防分岐ライン(WTI:標準誤差回帰分析バンドの中心線 / CRB指数:レジスタンスライン)付近でレジストされ不安定な状況が継続するならば、そしてイランサイドがサウジアラビアやロシアなど4産油国と連携するいわば「呉越同舟」のスタンスを表明してき点も考えるならば、産油国間は「増産凍結」から「減産」合意へステップアップする可能性があろう。

外為市場では筆者の予測とは違い「株高+原油相場反発」にもかかわらずドル相場は強弱まちまちの展開となっている。①原油相場の反発は対ドルで売られ過ぎの感があった資源国通貨にショートカバーが入りやすいタイミングであること、②「減産」合意が無い限り原油相場の先行き不透明感が払しょくされ難いこと、③米国経済の下振れリスクが高まってきたことで利上げペースが12月利上げ時よりも相当鈍化する可能性が高まっていること、これら要因が同時に外為市場で意識されていることでドル高圧力が強まらない背景にあると考えられる。特に②と③はドル高の土台となる米金利上昇の抑制要因となる。実際、乖離が一度収斂されて以降、今度は米国株式の上昇に米長期金利が追随できない状況になりつつある(比較チャート①)。また、年初以降の米国株式と米10年債利回りのパフォーマンスを比較すると乖離が拡大傾向にあることがわかる(比較チャート②)。
しかし、方向性が同じである点を考えるならば(原油相場上昇=株高=米金利上昇 / 原油相場下落=株安=米金利低下)、現在はドル高圧力が抑制されていてもそれは一過性であり、基本は「原油反発→株式市場の安定化→米金利への低下圧力後退→ドル高」と考えたい。ただ、米国経済への先行き不透明感が強まっている点を考えるならば、ドル高一辺倒という展開は想定しがたい。今後、産油国による「減産」合意がなされ原油相場が安定化した場合、USD/JPYやEUR/USDは売り買い交錯を繰り返しながら新たなレンジを模索する展開へとシフトしよう。逆にリスク回避ムードが再び強まれば、ドル売り / 円&ユーロ買いの展開が想定される。

【比較チャート①】赤ライン:米10年債利回り 青ライン:米国株式(MSCI)

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【比較チャート②】赤ライン:米10年債利回り 青ライン:米国株式(MSCI)

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