引き続きリスク回避圧力の高まりに要警戒

Market Overview

5日の欧米株式市場はリスク回避の動きが一服。新興国株式市場も落ち着きを取り戻した。ただ、上昇率が総じて小幅に留まったこと(前日比1%超えはイタリアFTSE MIBのみ)、NY原油先物相場(2月限)がドル高及び米原油在庫の増加観測を背景に前日比-2%超の下落となる等、リスク回避ムードは完全に後退したわけではない。

事実、海外外為市場でも円高が進行。USD/JPYは2日連続となる119円割れ(安値118.82)。クロス円も総じて円高優勢の展開となった。ドル相場も対円以外では総じてドル高優勢の展開となった。一方、ユーロ相場は下落トレンドが継続。EUR/USDは昨年12月3日以来となる1.075レベルを下方ブレイク(安値1.0724)。EUR/JPYは2015年4月21日以来となる127.59レベルまで急落した。EUR/GBPも昨年12月31日以降より陰線の示現が続く展開となった。

米独利回り格差 ユーロドル

Analyst's view

5日の主要な欧米及び新興国株式は、最悪の幕開けとなった4日の下落分の一部を取り戻す展開となった。一方、外為市場ではリスク回避のドル買い圧力が強まるも、ブラジルレアル、チリペソそしてインドネシアルピアといった新興国且つ資源国通貨としての性質を持つ通貨が対ドルで堅調に推移した。しかし、これらの動きをもってリスク回避ムードが後退すると考えるのは早計だろう。①株式の上昇幅が小幅だったこと、②中東の地政学リスク(原油供給懸念)の高まりにもかかわらず原油先物価格が2%超下落したこと、③外為市場で円高圧力が強まっていること、④米金利の低下が継続していることを考えるならば、昨日の動向のみでリスク回避ムードが後退していると考えるのは早計だろう。

昨日の欧米株式の反発を受け、本日の国内株式は買戻し優勢の展開となる可能性が高い。しかし、CME日経平均先物の反発が大証比で+0.4%と小幅に留まっている点を考えるならば、上値は限定的となる可能性が高い。外為市場では円高の揺り戻しにより円売り局面が散見されるだろうが、その動きは一過性で終わる可能性があり引き続き円高リスクを警戒すべきだろう。

尚、現在筆者の興味を惹いているのが、ユーロ相場の動向だ。金融緩和の導入によりリスク回避局面では円とともにユーロが買われ易い局面にあるが、直近は「リスク回避=ユーロ買い」という相関性が崩れている。この背景には、米独10年債利回り格差の動向が関係している。左上の比較チャートは、米独10年債利回り格差(緑ライン)とEUR/USD(青ライン)を併記している。「米独10年債利回り格差の縮小=ドル売り/ユーロ買い」、「米独10年債利回り格差の拡大=ドル買い/ユーロ売り」の傾向となっていることがわかる。昨年12月24日以降、リスク選好/回避に関係なく米独10年債利回り格差が拡大の一途を辿っているがために、「リスク回避=ユーロ買い」という相関性が崩れているというわけである。しかし、この動きは一過性で終わる可能性が高い。中国リスクを背景にリスク回避圧力がさらに強まれば、米利上げペースの減速懸念が惹起されそれに伴い低下余地のある米金利が独金利以上に低下する可能性があるからだ。また、CFTCにおける投機筋のユーロ売りポジションが直近で16万枚積み上がっている状況も、リスク回避局面での潜在的なユーロショートカバーの圧力が滞留していることを示唆している。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.00:10日MA、オファー 119.63:5日MA
サポート 118.70:1/4安値 118.00:厚いビッド・オプションバリア

RSIが売られ過ぎの水準まで低下している点を考えるならば、目先はショートカバーを警戒したい。ただ、日足の重要テクニカルや2012年後半以降、ドル高/円安トレンドをサポートしてきた長期サポートラインを尽く下方ブレイクしている点を考えるならば、118円トライは常に意識しておくべきだろう。
上下のチャートポイントは上記の通り。直近のオーダー状況だがオファーは119.70、120.00にそれぞれ観測あり。ビッドは118.70から118.50にかけて観測されている。また、118.00には厚いビッドとオプションバリア、下の水準にはストップの観測あり。

EUR/USD

       

レジスタンス 1.0839:1/5高値 1.0810:5日MA
サポート1.0900:サポートポイント 1.0700: ビッド 1.0648:リトレースメント76.40%

1.08を下方ブレイク。RSIを確認するとまだ低下余地があることから、昨日、相場の下落を止めたリトレースメント61.80%1.0727レベルを下方ブレイクする可能性を常に意識しておきたい。次のターゲットはビッドが観測されている1.0700及びリトレースメント76.40%1.0648レベルとなろう。
一方、上値は1.0810レベルで推移している5日MA(緑ライン)の突破が目先の焦点だろう。1.0820及び1.0880から1.09にかけてはビッドが並んでいる。

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