根強い国際商品市況への懸念

Market Overview

21日の海外株式市場は強弱まちまちの展開に。欧州株式市場は続落。中でも下落がきつかったのがスペインIBEX35。20日の議会選挙で財政緊縮策を推進してきた与党・国民党が過半数を失ったことが嫌気され3.5%超の下落する展開に。対照的に米国株式市場は値ごろ感の買い戻しが入り反発した。しかし、エネルギーセクターでの軟調地合いが継続している事実は、国際商品市況への警戒感が根強いことを示唆している。

一方、外為市場では、ユーロ買い優勢の展開となった。リスクオフ優勢を背景に11月以降急速に積み上がったユーロショートを調整する動きから、EUR/USDは1.09ミドル手前まで反発。ユーロクロスも同様の展開となり、EUR/JPYは132.36まで、EUR/GBPは0.7346までそれぞれユーロ高が進行した。

ボード

Fundamentals Analysis Highlights

週明けの米国株式は反発するも米国債券市場では各ゾーンの金利が低下。そして外為市場では対円&ユーロでドル売り優勢の展開となった。米国株式に加えCRB指数が続伸したにもかかわらず、米国債券市場と外為市場でリスクオフ時のような動向となった事実は、両市場が調整相場(=米債買い・ドル売り)にシフトしていることを示唆している。単なるポジション調整相場なら、外為市場でのユーロ買いの余地はまだあるだろうが、円買いは限定的となろう。株高や商品市況の一時的な反発が円売り要因となるからだ。USD/JPYは120円台維持を想定したい。

問題は、「ポジション調整」に「リスクオフ」の圧力が増大した場合だろう。リスクオフ圧力の増大は米国債券市場への資金シフトを加速させ、米金利の急低下(米債ショートの急速な巻き戻し)を誘発するだろう。この場合、リスク選好の先導役である米国株式はさらに下値を模索しよう(例えばS&P500は目先の重要サポートポイントであるである日足の一目/雲の下限と9-10月高安のリトレースメント50.00%水準が密集している1994ドルを完全に下方ブレイクしよう)。目先、リスクオフ圧力の増大要因として注視すべきはやはり国際商品市況の動向だろう。21日の米国株式は確かに反発したが、エネルギーセクターでの上昇幅は抑制された状況が続いており、国際商品市況への根強い警戒感を示唆している。

リスクオフ圧力が増大する展開となれば、急激なユーロショートカバーによりEUR/USDがドル売りの震源地となろう。その影響が他のドル相場へ波及することで外為市場全体でドル売りトレンドが形成されよう。その過程でUSD/JPYは、「ポジション調整=ドル売り」プラス「リスクオフ=円買い」のダブルパンチにより、120.00割れをトライする局面が散見される可能性があろう。

Today’s Outlook

外為市場のトレンドは引き続き株式動向次第だろう。国内株式は米国株式の反発を受け、堅調に推移する可能性があろう。ただ、上述した通り現在の外為市場は調整相場(=ドルロング調整相場)へシフトしている可能性が高い。よって、株高に反応しやすいのはクロス円となろう。ただ、原油相場との相関性が高いCAD/JPYの伸びは抑制される可能性があろう。

海外時間では、引き続き国際商品市況の動向に神経を削ることになろう。WTI原油先物は一時34ドルを割り込む展開となる等(安値33.98ドル)、過剰供給懸念は根強い。下値模索ならば、上述したリスクオフ圧力の増大要因となり、外為市場でのユーロ&円買い圧力を強めよう。

尚、米指標データでは7-9月期実質国内総生産(GDP)確定値と11月中古住宅販売件数に注目したい。FEDスピーカーの講演予定はなし。ナイキの企業決算が予定されている。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.00:オファー 121.56:一目/雲の上限
サポート 120.82:一目/雲の下限 120.40:サポートライン

焦点は日足の一目/雲の攻防となろう。売り買い分水嶺の50.00を割り込んでいるRSIやDMIの動向を考えるならば、ドル安優勢を想定したい。雲の下限ブレイクならば、次のターゲットは8月安値116.23を起点としたサポートラインとなろう。このラインは今日現在、120.40レベルで推移している。
尚、直近のオーダー状況だが、120円ミドル及び120.00にはビッドの観測あり。オファーは122.00及び122.50に観測されている。

EUR/USD

       

レジスタンス 1.1000:短期レジスタンスライン 1.0958:一目/雲の下限
サポート1.0900:サポートポイント 1.0815:21日MA(緑ライン) 1.0800:一目/基準線(赤ライン)

1.08台の維持に成功。本日もショートカバーを想定し、目先は日足の一目/雲の攻防へシフトするかが注目される。雲に突入した場合、最大の焦点は10月15日高値1.1495を起点とした短期レジスタンスラインの攻防となろう。
一方、下値のテクニカルポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが1.10にはオファー、1.08にはビッドがそれぞれ観測されている。尚、1.08下にはストップの観測あり。

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