新興国市場の動向を注視

Market Overview 

8日の欧米株式は原油安が嫌気され総じて下落する展開に。その原油相場だが、NY原油先物1月限は一時36.64ドルと期近物としては2009年2月以来およそ6年10カ月ぶりの安値を連日で更新した。「株安+原油安」を背景に海外外為市場では、一部の資源国通貨が対ドルで下落。ノルウェークローネ(NOK)は2002年4月以来の高値レベル(8.8819)までドル高/クローネ安が進行。一方、加ドル(CAD)は、ここにきて俄かに高まってきた加中銀(BOC)による緩和強化観測も合わさり、2004年6月以来となる高値レベル(1.3620)まで上昇した。他の産油国通貨ではロシアルーブル(RUB)やマレーシアリンギット(MYR)も対ドルで軟調地合いとなった。

一方、リスクオフ圧力はユーロの買戻しを誘発し、EUR/USDは1.09台へと再上昇。EUR/JPYもこの動きに追随し133円ミドルレベルから134円をトライする動きが散見された。

株式チャート

Fundamentals Analysis Highlights

11月の中国貿易統計によれば、輸入は13ヶ月連続で前年割れの内容(8.7%減/ドルベース)となった。10月の18.8%減からは縮小したものの、同国の内需縮小問題が早期に解決できる可能性は依然として低いことが今回の統計で示された。


しかし、外為市場では全面的な円高 / ユーロ高 / 資源国通貨売り(=リスクオフ)の展開とはなっていない。上値は重くなっているものの、グローバル株式市場がかろうじて堅調さを保っているためだろう。ただ、その株式市場も直近はCRB指数に連動し低下傾向にある。その牽引役となっているのは新興国株式市場。
上の株式比較チャート(直近1ヵ月間 / 基準:MSCI WI / 赤:新興国 紫:アメリカ 青:EU 黄色:日本)を確認すると、世界の株式パフォーマンス(MSCI WI)に対して新興国のそれが著しく悪化していることがわかる。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)が意識され、目先ドルロングを調整しづらいタイミングであることも考えるなら、商品市況の低迷に伴う株式市場混乱の震源地は新興国市場となる可能性があろう(上海株式の急落、BRIC通貨の急落等)。

Today’s Outlook

本日も商品市況にらみの一日となろう。その商品市況の動向を見極める上で、東京時間は11月の中国指標データ(消費者物価指数 / 生産者物価指数)に注目したい。総じて冴えない内容となれば商品市況への下落圧力がさらに強まり、資源関連銘柄が株式市場の下落のけん引役となろう。中国リスクを背景に「商品安+株安」の同時発生となれば、昨日同様、資源国通貨は下値を模索する展開が想定される。

資源国通貨以外で注視すべきはユーロ相場の動向だろう。リスクオフ継続となれば対資源国通貨でユーロ買い圧力が強まろう。その影響が他のユーロ相場、特にEUR/USDに波及することでショートカバー優勢の展開が想定される。その場合の攻防分岐は断続的にオファーが観測されている1.10前後。現時点では、ここまでのポジション調整を想定しておきたい。だが、このレベルを完全に突破するようならば、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に商品市況と株式市場でさらにリスクオフが加速している可能性が高い。その場合次のターゲットは、1.1120レベル(8-12月高安の半値戻し)となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.76:11/18高値、オファー
サポート 122.47:12/4安値 122.00:前後はビッド/ストップ混在

上下のチャートポイントは昨日と変わらず。直近のオーダー状況だが、123.50から123.80にかけて断続的にオファーが並び始めてきた。引き続き123.50レベルは強烈なレジスタンスポイントとなろう。
尚、124.00には厚いオファーとオプションバリアの観測あり。株式市場がCRB指数に追随する可能性がある点を考えるならば、下値は122円台の維持が焦点として浮上する可能性が高まってきた。

EUR/USD

レジスタンス 1.1118:リトレースメント50.00% 1.0977:リトレースメント38.20%
サポート 1.0796:12/7安値 1.0751:10日MA

中心レンジは1.08-リトレースメント38.20%(8-12月高安)を想定。ただ、38.20%レベルを突破してもオファーが並んでいる1.10前後でレジストされる展開を想定しておきたい。さらなる上値追いは1.10台に完全に乗せてからということになろう。
一方、1.08レベルを下方ブレイクした場合は、11月中に上値をレジストし続けてきた10日MA(緑ライン)がサポートラインに転換するかどうかが注目される。1.0730から1.0700にかけては断続的にビッドが観測されている。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 外国為替の取引方法

    世界最大で最も流動性の高い金融市場の仕組みについて理解します。どのように国際通貨が取引されているかをご説明し、ポピュラーマーケットの取引を開始する前に知っておくべき重要ポイントを押さえます。

  • 株取引

    株式なくしては、各国の経済に不可欠な株式市場は成り立たないでしょう。ここでは、株式取引が個人投資家の収入源と大きな資産になる一方、いかに企業の拡大・成長につながるかということを学びます。

  • ストップ

    ポジションを保有・清算できるいくつかの方法を学びます。単純な直接取引から、人がいなくても自動で指示を出すような取引までいろいろあります。注文取引により、利益額をあらかじめ設定したり損失額に対してストップをかけたりできます。複数の注文方法を紹介するとともに、利用方法を説明いたします。