ドル高トレンドを想定もドル円は株式動向次第

Market Overview 

比較チャート

10日の海外株式市場は強弱まちまちの展開となった。海外外為市場でも明確な方向感は見られなかったが、対ドル&円でユーロ売り優勢の展開に。EUR/USDは1.07を下方ブレイクし安値1.0674レベルまでユーロ安 / ドル高が進行。EUR/JPYも目先のサポートポイント131.50レベルを視野に下落した(安値131.62)。

円相場は売り買い交錯の中、円高優勢で推移。USD/JPYは123.40レベルで上値がレジストされるもグローバル株式市場が堅調さを保っていることもあり、下値は限定的。123円台を維持したまま、本日の東京時間を迎えている。

Fundamentals Analysis Highlights

年初来からのドルインデックスとCRB指数の騰落率を比較すると(上図チャート参照 緑:ドルインデックス 青:MSCI World Index 赤:CRB指数緑:ドルインデックス 青:MSCI World Index 赤:CRB指数)、商品市況の上昇により3月~4月の乖離の収斂に成功。しかし、中国リスクが意識されはじめた今年6月以降、乖離が再び拡大傾向を辿り、目下収斂する兆しが見えない。ドルインデックスと世界の株式パフォーマンスとの比較でも同様の展開となっている。欧州中央銀行(ECB)と中国人民銀行(PBOC)による緩和強化にもかかわらず、乖離が収斂するどころか拡大傾向にある事実は、米金融引締めとそれに伴うドル高は世界経済のリスク要因であるとの認識がグローバル市場で共有されていることを示唆している。もっと端的に言えば、金融緩和がもらたす効果以上に世界経済の先行き不透明感に対する警戒感の方が強いことを示している。よって、人為的な金融緩和のみでポートされている現在の株式市場は今後も上下に振れる不安定な状況が散見されよう。

12月上旬までは、米利上げを意識した「FOMCトレード」が継続する可能性が高く、外為市場では対ユーロ、資源国通貨そして新興国通貨でドル高優勢が継続することが想定される。
ただ、対円だけは上記の株式動向にトレンドが左右されよう。人為的な金融緩和を背景に株高維持となれば、12月上旬までに125円台へ再上昇する展開が想定される。しかし、ファンダメンタルズの改善なしに株高一辺倒となる可能性は低い。米利上げ期待のみで125円台の再上昇に成功しても、株式市場の上値が重くなれば122.00-125.00を中心としたレンジ相場へシフトする可能性がある。一方、新興国(特に中国)の景気後退とそれに伴う商品市況の低迷がグローバル株式の急落要因となれば、118円台を目指す展開も考えられる。

Today’s Outlook

円相場は引き続き株式にらみの展開となろう。直近の欧米株安局面でも123円台を維持する状況を考えるならば、USD/JPYの焦点はアップサイドにあろう。具体的には、今年高安のリトレースメント76.40%(123.70)を突破し、124円台へ再上昇できるかどうか、この点が注目される。

ユーロ相場の動向にも要注意。特に注目すべきはEUR/GBPの動向だろう。本日はカーニー英中銀(BOE)総裁の講演と英雇用統計の発表が予定されている。ポルトガルで左派政党による連立政権が樹立され、週初の欧州市場はリスク回避となったものの、対ドルでのユーロ下落は限定的だった。米12月利上げとECBの緩和強化を織り込む兆しが見え始める中、上記の英国イベントで利上げ時期が不透明となれば、EUR/GBPでユーロ高圧力が強まろう。その影響が他のユーロ相場全体に波及する可能性があろう。

尚、他の注目材料としては、日本時間14時30分の中国指標データ(10月小売売上高・鉱工業生産)、22時15分のドラギECB総裁の講演内容を注視したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:厚いオファー 123.59:リトレースメント76.40%
サポート 122.87:5日MA(青ライン) 122.00:ビッド

122.00-125.00を新たなレンジと想定。目先の攻防分岐はリトレースメント76.40%で変わらず。このテクニカルを突破した場合は、厚いオファーが観測されている124.00トライが次の焦点として浮上しよう。尚、123.60にはオファー、123.80上にはストップが観測されている。
一方、下値は5日MAの維持が焦点となろう。123.00、5日MAの水準(122.90-80)及び122.00にはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.0863:10日MA(青ライン) 1.0800:オファー
サポート 1.0650:ビッド 1.0600:ビッド

RSIの動向を考えるならば、本日もユーロのショートカバーを警戒したい。ただ、反発余地は10日MAまでが限界か。1.0800及び1.0850にはオファー、1.0815上にはストップの観測あり。
一方、下値の焦点は4月下旬に2度相場をサポートした1.0650レベル。1.0660-50には断続的にビッドが並んでおり、1.06台の重要サポートポイントとして認識しておきたい。

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