利上げに対する耐性度合い

Market Overview 

チャート

イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長は4日、下院金融サービス委員会の公聴会で「12月利上げ」の可能性についてあらためて言及。外為市場はドル高で反応し、EUR/USDは7月下旬以来となる水準まで急落(安値1.0844)した。USD/JPYも8月28日高値121.74手前までドル高が進行(高値121.71)した。
一方、資源国通貨は、ドルストレートでのドル高に加え、商品市況が軟調地合いとなったことから対ドル&円で軟調地合いとなった。

Fundamentals Analysis Highlights

目先、筆者が注視しているのは、米国株式市場における利上げへの耐性度合いである。10月FOMC後、米金融政策の方向性に敏感な2年債利回りの上昇率は、米株のそれを大きく凌駕している(上図チャート参照)。この状況(米金利上昇率>米株上昇率)は、米国株式市場にとってネガティブ要因。しかし、現状大きく崩れる気配が感じれない点は、利上げへの耐性度合いが強まっている可能性を示唆している。

利上げに対する耐性度合いが本当に強まっているのか否か、この点を見極める上で、明日の米雇用統計は重要な試金石となろう。イエレン議長が昨日の公聴会で「12月の利上げを決断する条件は雇用回復の持続力」と言及している以上、強い内容となれば、マーケットは当然12月利上げを意識しよう。この場合、米金利にはさらに上昇圧力が強まるだろうが、それでも尚、米株が高値圏を維持するならばリスク選好の先導役としての期待から来週以降のグローバル株式市場が大きく混乱する可能性が低下しよう。

逆に、米金融引締め懸念を背景に米株が大きく崩れれば、リスク選好の先導役を失うことになる。この場合、来週以降、グローバル株式市場が再び不安定化する可能性があろう。商品市況が軟調地合いに転じることも想定される。円相場では再び円高圧力が強まろう。

Today’s Outlook

米雇用統計を見極めたいとの思惑を背景に、本日の外為市場ではレンジ相場を想定。ただ、株式市場が雇用統計前の利益確定売り優勢の展開となれば、円相場は上値の重い展開(=円高優勢の展開)となろう。

注目すべき通貨ペアは、ユーロポンド(EUR/GBP)。本日は、英国イベント(英中銀金融政策委員会議事要旨と四半期ごとの物価報告の公表、カーニー英中銀総の会見)が目白押し。利上げ観測を強める内容となれば、EUR/GBP経由でユーロ売り圧力が強まろう。その場合、EUR/USDは4月24日以来となる1.08割れの展開が想定される。EUR/JPYは10月26日安値131.59を下方ブレイクする展開を想定したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.00:厚いオファー 121.88:8/28高値
サポート 120.88:一目/転換線(青ライン) 120.87:一目/雲の上限

攻防分岐は8月28日高値レベル。このレジスタンスポイントを突破した場合は、121.80上にあるストップを付けに行く展開が想定される。その場合、厚いオファー(含本邦勢)が観測されている122.00ブレイクが次の焦点として浮上しよう。一方、下値は日足の一目/雲の上限維持が焦点となろう。121.00を挟んでビッドの観測あり。120.50及び120.20レベルにもドル買いオーダーが並んでいる。

EUR/USD

レジスタンス 1.0998:10日MA(赤ライン) 1.0965:11/4高値
サポート 1.0820:厚いビッド 1.0800:サポートポイント

攻防分岐の長期サポートラインをついに下方ブレイク。次は1.08000での攻防を注視。このレベルをも下方ブレイクすれば、1.0650レベルを目指す展開を想定したい。一方、上値は10日MAのブレイクが目先の焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが、厚いビッドが1.0820レベルに観測さている。オファーは1.1000に観測あり。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • 取引プランとは

    取引プランは、取引目標を明確にして達成する上で使用できるツールの一つです。ここでは、個人の計画を立てる方法と、それを実行する方法について解説いたします。

  • 商品の基礎知識

    商品は、ほぼすべての製品の裏側の不可欠要素として、近代経済になくてはならないものです。不安定ながらも価値の高い天然資源が、幅広い取引の世界でどのような位置を占めるのか学んでいきます。

  • オートチャーティスト

    アナリストがどのようにチャートを使っているのかを学び、投資家の行動を勉強し市場パターンを理解しましょう。利用可能な様々なチャートの使い方を学習し、チャートが示す価格パターンを確認します。