リスク選好と回避の綱引き状態

アナリストの視点-米2年債利回り、重要レジスタンスポイントが視野に

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9日のグローバル株式市場は強弱まちまちの展開となった。アジア&欧州株式は、中国当局による追加の景気刺激策への期待感を背景に堅調に推移。日経平均に至っては、21年7か月ぶりの上昇幅を記録(前日比1343円43銭高)。株高は外為市場での円売り圧力を強めたが、主要な米国株式市場が9月利上げ懸念を背景に揃って1%超の反落となったこと受け、NY時間は一転して円高優勢の展開に。USD/JPYは高値121.20レベルから120.27レベルまで1円近く反落。クロス円も総じて円高優勢地合いとなったが、EUR/JPYだけはリスク回避のユーロ買いを背景に135.00を挟んで堅調に推移する展開となった。
オセアニア時間では、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が予想通り25bpの利下げを実施。また、声明文ではさらなる緩和とNZD安を望む表現が盛り込まれていたことで、NZD/USDは再び0.62台へと急落。NZD/JPYも77円台から75円前半まで急落し、そのまま東京時間を迎えている。

乱高下が続く株式市場に投資家の関心が集まる中、昨日の海外動向で筆者の興味を惹いたのが、米2年債利回りの動向だった。米国株式市場が1%超反落しているタイミングで、2014年12月以降、レジストされ続けている0.76%をトライする展開となった事実は、9月の利上げ観測が未だ根強く意識されていること、そしてこの観測はリスク回避要因として捉えられていることを示唆している。事実、昨日のNY外為市場では対円&ユーロでドル売り優勢の展開となり(リスク回避パターンとなり)、ドルインデックスは株安の影響を受け小幅な上昇にとどまった。ドル高トレンド形勢のためには株高と米金利の上昇が持続的且つ同時に発生することが必須条件だが、利上げ懸念が米国の株式市場で意識され続ける限り、その上限をクリアする可能性は低いだろう。よって、連邦公開市場委員会(FOMC)前後の外為市場ではドル高トレンド形勢に期待できないだろう。


本日の焦点-株式と米金利の動向を注視

本日の外為市場も株式動向にトレンドが左右されよう。昨日の日経平均の暴騰と米株の反落を考えるならば、本日の国内株式は利益確定売り優勢の展開が想定される。その場合、円相場では円高優勢の展開となろう。上海株式までが軟調地合いへ転じれば、USD/JPYは再び119円台の攻防へシフトしよう。

海外時間も株式にらみの展開となるだろうが、加えて米金利の動向にも注視したい。昨日の求人・労働異動調査(7月、JOLTS)に続き本日の米新規失業保険申請件数も良好な内容となれば、利上げ観測が強まろう。それを背景に「株安 / 米金利上昇」となれば、外為市場では円&ユーロ買い優勢の展開となろう。また、本日の米週間石油在庫で在庫が予想外に増加している場合、供給過剰懸念を背景に原油相場が続落する展開が想定される。「株安 / 原油安 / 米金利上昇」となれば、海外外為市場では加ドルや豪ドルも下値を模索する展開となろう。追加緩和観測が台頭しているNZDでも下落幅拡大が想定される。


Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 121.20:レジスタンスポイント 120.80前後:日足一目/基準線&200日MA
サポート 119.78:5日MA 118.80:サポートポイント

ローソク足の実体ベースで日足の一目/基準線(赤ライン)&200日MA(緑ライン)突破に失敗。ローソク足の形状も上影陰線(陰の大引坊主)となった点を考えるならば、本日は下値トライを警戒したい。その場合、下値の焦点は5日MA(青ライン)の維持となろう。このMAを下方ブレイクした場合は、118円台最初のサポートポイント118.80レベルの維持が次の焦点として浮上しよう。
上値のポイントは上記の通り。
尚、直近のオーダー状況だが121.50-60にはオファー、119.40から119.00にかけては断続的にビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1285:日足一目/基準線 1.1243:9/3高値
サポート 1.1131:9/9安値 1.1123:一目/雲の上限

10日MA(青ライン)及び一目/転換線(黄ライン)の突破に成功。1.12ミドルレベル(9/3高値)の突破にも成功すれば、一目/基準線(赤ライン)を視野に上昇幅拡大が想定される。下値は引き続き、雲の上限の維持にあろう。
尚、直近のオーダー状況だが1.1250上にはストップが観測されている。ビッドは1.1120及び1.1050レベルに観測あり。

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