焦点は中国指標データと資源国通貨の動向

アナリストの視点-人民元切り下げでリスク回避

投資家

11日のグローバル株式市場は、中国人民銀行による人民元の基準値切り下げが嫌気されリスク回避優勢の展開に。海外外為市場では、中国リスクが嫌気されドル買い / 資源国通貨売り優勢の展開となった。AUD/USDで0.73台割れの局面が見られた他、NZD/USDは節目の0.65を視野に下落幅が拡大した(安値0.6520)。原油価格が再び急落した影響もあり、USD/CADは1.30レベルから1.3150レベルまで急騰する展開となった。

一方、円相場はUSD/JPYが堅調に推移。人民元切り下げの影響を受けたドル買い圧力を背景に高値125.20レベルまで上昇。その後は米金利低下の影響もあり上値がレジストされたものの、125円台を維持したまま、本日の東京時間を迎えている。

中国人民銀行は11日、人民元の基準値を2%切り下げることを発表した。7月に株価対策そして8月に為替対策と、当局が矢継ぎ早に市場への介入に乗り出した背景にあるのは、言うまでもなく同国の景気減速(内需縮小)が、想定以上に深刻化しているからだろう。

人民元切り下げに対し、外為市場では当然のごとくドル買いで反応。ただ、今回の中国要因が持続的なドル高圧力へとつながる可能性は低いだろう。そのためは、既にこのレポートで指摘している条件のクリア((①米国株式市場における利上げへの耐性が強まること / ②利上げペース加速への期待が強まること)が必須であるからだ。
また、中国リスクは今後②と深く結びつく可能性があろう。現状、イエレンFRBは外部要因に左右されることなく、年内に1回の利上げを実施するスタンスを維持している。しかし、中国の景気減速が世界経済の足かせとなり、巡り巡って米国の景気回復スピードを後退させる要因となれば、次回以降の利上げは2016年の春以降までずれ込む可能性が高まろう。これは新たな期待先行によるドル高材料の発生に期待できないことを意味する(現在のドル高は9月利上げに対する期待先行相場)。よって、目先はショートポジションが積み上がっている円やユーロを中心にドルロングを調整する地合いが発生すると想定している。

本日の焦点-中国指標データと資源国通貨

上記のドルロング調整地合いが資源国通貨に対しても発生すると筆者は想定していたが、人民元切り下げでこの点に関しては、修正を余儀なくされる可能性が出てきた。
本日、そのトレンドを左右するのは、日本時間14時30分に発表される中国の7月指標データ(小売売上高 / 鉱工業生産)となろう。中国リスクが意識される中、総じて冴えない内容となれば、AUD/USDはサポートポイント0.7250、NZD/USDは節目の0.6500そしてUSD/CADは1.3200をそれぞれ突破する展開が想定される。ドルストレートでドル高圧力が強まれば、クロス円(AUD/JPY、NZD/JPY、CAD/JPY)を中心に円相場は円高優勢の展開となろう。昨日の海外株式市場が総崩れとなった点も考えるならば、日経平均も軟調地合いが想定される。「ドル高+株安」が同時に発生すれば、これまで進行した円安の利益を確定する動きが加速しよう。そそのような展開となれば、USD/JPYもクロス円の下落と株安を背景に日足の一目/転換線(今日現在124.37レベル)をトライする展開が想定される。

逆に、指標データが中国の景気減速懸念を一時的にせよ後退させる内容となれば、資源国通貨を中心にドルロング調整地合いが想定される。この場合、クロス円は上値トライの展開となろう。USD/JPYのトレンドは株価動向次第となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.85:年初来高値 125.20:8/11高値
サポート 124.37:一目/転換線(黄ライン) 124.17:21日MA(青ライン)

上下のチャートポイントは上記の通り。昨日は、ボリンジャーバンドの上限(MA21 σ2.5)及びオファーで見事に上値がレジストされた。下値トライとなった場合、124円台の焦点は日足の一目/転換線となろう。このテクニカルを下方ブレイクした場合は、21日MA(ボリンジャー中心線)が次のターゲットとして浮上しよう。
尚、直近のオーダー状況だが125.50及び125.90にはオファーが観測されている。一方、ビッドは124.50、124.30及び124.00にそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1122:リトレースメント50.00% 1.1096:ボリンジャー上限(緑ライン)
サポート 1.0960前後:10日MA(赤ライン)&21日MA(青ライン) 1.0850:サポートポイント

6月18日高値1.1436を起点としたレジスタンスラインを突破。本日も上値トライ継続の可能性がある。ただ、その余地は限定的だろう。1.11レベル付近での上値の重さは変わらず、且つこのレベルにはボリンジャーバンドの上限(MA21 σ2.0)が推移していることから、1.11前後で上値がレジストされる可能性を常に想定しておきたい。
一方、下値は10&21日MAが推移している1.0960前後の維持が焦点となろう。

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