焦点は米雇用統計後の米株の動向

アナリストの視点-イベント前の調整相場

トレーダー

6日の海外時間におけるドル相場は、米雇用統計を見極めたいとの思惑、株安&原油安を受けた米金利の低下を背景にドルロングを調整する動きとなった。ただ、9月利上げ期待が強まる中でのドル売りは限られ、EUR/USDは1.0930台、USD/JPYは124円ミドルレベルまでドル売りが進行した程度の調整にとどまった。

調整相場のムードが漂う中、目立ったのはポンド相場の急落だった。この日発表された英金融政策委員会(MPC)議事録では、25bpの利上げを支持したのが一人(マカファーティ委員)だけだったことに加え、四半期インフレリポートでは物価見通しが下方修正されたこともあり、外為市場ではポンド売りが加速。対ドルでは1.56台から重要サポートポイント1.54ミドルレベルまで急落する展開に。対円では195円台から一気に193円ミドルを割り込み、その後の戻りも限定的となったまま、本日の東京時間を迎えている。

昨日発表された新規失業保険週間申請件数は27万件と市場予想(27.2万件)を下回り、4週移動平均も前週比6500人減の26.8万件と、労働市場の持続的な改善状況を示す内容となった。昨日の主要な米国株式は揃って下落したが、その主因は原油安と米雇用統計前の調整であり米指標データではない。よって、米国株式市場での利上げに対する耐性は弱いと判断するのは早計だろう。ただ、耐性が強まっていると判断するには、今晩の雇用統計が強い結果となり且つ株高維持の展開となることを確認する必要がある点も変わらない。この点の詳細は、下記「米雇用統計と株式の反応」にて。

本日の焦点-米雇用統計と株式の反応

その米雇用統計だが、各市場予想(非農業部門雇用者数:22.5万件、失業率:5.3%、平均賃金:+0.2%、平均週労働時間:34.5時間)を総合的に上回る内容となって尚、株高維持に成功するならば、外為市場ではリスク選好のドル高圧力が強まろう。EUR/USDは重要サポートポイント1.08、USD/JPYは年初来高値125.85レベルをターゲットにドル高が進行しよう。また、ドル高の加速は低迷する原油価格に追い打ちをかける材料となることから、加ドルも対ドルで下値(1.32レベル)を模索する展開となろう。

一方、クロス円は、各種要因(追加利下げ、低迷する商品市況、脆弱なファンダメンタルズ等)を背景にドルストレートでのドル高の進行が対円以上に加速する可能性があることから、下値を模索する展開を想定したい。特にEUR/JPYや資源国通貨の動向には要注意。前者は、日銀による異次元緩和の優位性が後退(=円売り圧力が後退)していることに加え(本日日本時間15時30分の黒田東彦日銀総裁による会見で異次元緩和の優位性がさらに後退する可能性あり)、米欧の金融政策のコントラスト(=方向性の違い)までが意識されれば、7月8日以降相場をサポートし続けている89日MA(今日現在135.00前後で推移)をブレイクする展開が想定される。一方、後者では「ドル高+原油安」を背景にCAD/JPYが94円台を割り込む可能性があろう。AUD/JPY及びNZD/JPYも90.00及び81.00の各サポートポイントをトライする展開を想定したい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 125.85:年初来高値 125.00前後:ボリンジャー上限
サポート 124.00前後:転換線及び21日MA 123.00:ボリンジャー下限(σ2.0)

テクニカル面で注視すべきは、昨日同様ボリンジャーバンドの上限(MA:21)だろう。今日現在、σ2.0のそれ(黄ライン)が124.90前後、σ2.5のそれ(緑ライン)が125.15前後で推移している。これら上限の突破に成功すれば、年初来高値125.85トライが視野に入ろう。
一方、下値は21日MA(ボリンジャー中心線、青ライン)の維持が焦点となろう。このMA上には8月以降相場をサポートし続けている日足の一目/転換線(赤ライン)が推移している。
尚、直近のオーダー状況だが125.20そして125.50にはオファーが観測されている。ビッドは124.00、123.50及び123.00に観測あり。124.50下と124.00下にはストップの観測がある。

EUR/USD

レジスタンス 1.1000:レジスタンスポイント 1.0960:21日MA
サポート 1.0810:7/20・21のサポートポイント 1.0750:サポートポイント

トライアングル下限を下方ブレイク後、戻りが限定的となっている点を考えるならば、引き続きダウンサイドリスクを警戒したい。上下のチャートポイントは変わらず。
尚、直近のオーダー状況だが昨日同様、1.0995から1.1000にかけてはオファー優勢。1.1020にもオファーの観測あり。一方、ビッドは1.0840、1.0800及び1.0750にそれぞれ観測されている。後者2つのポイントではオプションバリアの観測もある。

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