米中イベントに注視する1週間 

アナリストの視点-ギリシャ情勢をにらみつつもより注視すべきは米中イベント

bg_data_1016721

今週は米中イベントに注視する1週間となろう。米国サイドで注視すべきは14日以降に発表される指標データと15-16日のイエレンFRB議長による半期に一度の議会証言となろう。

前者の指標データで注視すべきは小売売上高、住宅関連指標そして消費者物価指数(CPI)だろう。特に年内利上げのハードルとなっている低インフレ懸念を払しょくできるかどうかの観点からCPIの伸びに注目したい。

だが、後者のイエレン証言の方がよりマーケットの注目を集める可能性があろう。イエレン議長は、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催される年次経済シンポジウム(8月27日~29日)への参加を見送る可能性が高く、年内利上げの可能性(時期とペース)を探る数少ない機会となるからだ。先週の講演で同議長は年内利上げの可能性について言及。米金利の上昇を促すと同時に米独金利差縮小に歯止めをかけ、ギリシャ問題解決への期待感を背景に強まっていたユーロ買い圧力をものの見事に後退させた事実は、やはり外為市場のトレンドを決定する最大の要因は金融政策の方向性にあることを示唆している。今週の議会証言でも年内利上げのスタンスを崩さず、FOMC議事録で指摘していた海外リスク、つまり中国&ギリシャリスクの影響も米経済成長の阻害要因とはならないとの見解を示せば、米金利の上昇とドル高圧力を強めよう。米株市場は四半期決算次第だが、総じて冴えない内容となれば米早期利上げ「懸念」の方が意識される可能性があるため要注意。

一方、中国イベントで注視すべきは指標データとなろう。特に6月の貿易収支と14日の4-6月期国内総生産(GDP)に注目したい。総じて市場予想を上回るならば中国リスクを後退させよう。問題は総じて市場予想を下回った場合だろう。前者の貿易収支は昨年11月以降減少傾向が続く輸入量に注目したい。中国が「新常態」の経済構造(輸出型→内需拡大型)へシフトを模索する中、輸入量の減少が止まらなければ同国の景気減速リスクが意識され中国株式市場が再び不安定化する可能性があろう。外為市場では資源需要の後退観測を背景に資源国通貨に再び売り圧力が強まる展開が想定される。
後者のGDPの焦点は、中国政府が目標と掲げる7.0%の成長率を維持できるかどうかだが、市場予想は7.0%を割り込むとの見方が大勢を占めている。予想外の落ち込みを見せれば中国を震源地としたリスク回避相場(株安・商品安・資源国通貨安・債券高・円高)が再び発生する可能性もあるため要注意。

本日の焦点-欧州勢の動向に注目

ギリシャ支援を巡り未だ結論が出ない中、週明け早朝のユーロは対ドルで一時1.11割れの局面が見られた。現在のところユーロ売りは限定的だが、欧州中央銀行(ECB)が保有する35億ユーロ(約4700億円)のギリシャ国債の償還(返済)期限が20日と迫っている中、ユーロ圏とギリシャとの間で再び政治的な軋轢が鮮明となれば、欧州勢のリスク許容度が縮小し、欧州株下落・独金利低下・ユーロ売りという展開が想定される。他に注視すべき材料は上述した中国の貿易収支だろう。輸入の減少傾向が確認された場合は、同国の内需縮小懸念、特に資源需要縮小懸念を背景に資源国通貨に売り圧力が強まる展開が想定される。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 123.72:7/2高値 122.95:レジスタンスライン
サポート 121.51:7/10安値 120.35:サポートライン

上値の焦点はレジスタンスラインの突破にあろう。このラインを挟んで21日MA(緑ライン)と一目/基準線(赤ライン)が展開している。一方、下値は引き続きサポートラインの維持が焦点となろう。

EUR/USD

レジスタンス 1.1250:レジスタンスポイント 1.1180:レジスタンスポイント
サポート 1.0993:一目/雲の下限 1.0916:7月7日安値

ローソク足の実体ベースでレジスタンスポイント1.1180レベルの突破に失敗。本日はこのポイントの完全突破が焦点となろう。それを達成した場合は、6月24日以降上値をレジストしている1.1250前後が次のターゲットとして浮上しよう。
一方、下値は引き続き、日足の一目/雲の下限の維持が焦点となろう。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • リスクの種類

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • リスクを管理する方法

    すべての金融投資は一定のリスクを伴います。直面するリスクを計算し、理にかなった方法でエクスポージャーを管理することで、どのようにポートフォリオを守れるか学んでいきます。

  • 取引所と価格

    商品は、ほぼすべての製品の裏側の不可欠要素として、近代経済になくてはならないものです。不安定ながらも価値の高い天然資源が、幅広い取引の世界でどのような位置を占めるのか学んでいきます。