焦点は上海株反発の持続性とイエレン講演

アナリストの視点-リスク回避ムードはひとまず後退

株価チャート

9日のグローバル市場は、リスク回避ムードが一服する展開となった。中国上海株の急反発が世界的な株高を誘発。外為市場では円高ムードがひとまず後退した。また、本日早朝にギリシャが欧州連合(EU)に対して改革案を提示したことも好感され、USD/JPYは今年最安値115.85レベルを起点としたサポートラインを維持し121円後半まで反発。EUR/JPYは134円後半まで円安が進行、他のクロス円も円売り円安優勢のまま本日の東京時間を迎えている。

ひとまずマーケットの攪乱要因だった中国上海株は反発したものの、同国のファンダメンタルズが好感されての反発ではないこと、そして昨日の米株が終盤にかけて上値の重い展開となった点は留意しておくべきだろう。また、週末にはEU首脳会議も控えており、このままリスク選好トレンド(=株高・金利上昇・リスク通貨買い&円売り)へ回帰すると判断するのはまだ早い。投資家の恐怖心理を表すVIX指数は1月以来となる水準まで上昇している。

上記のリスク要因以外で注視すべきは、やはり米金融政策に対するマーケットの思惑だろう。前日の連邦公開市場委員会(FOMC)に続き、エバンス・シカゴ連銀総裁も9日、海外リスクの高まりについて懸念を表明。さらに2016年半ばまで政策金利をゼロ近辺に維持すべきとの見解を示した。本日のイエレン講演(経済見通し)でも海外リスクに対する懸念発言が飛び出し、それが米経済成長の下押し圧力になることを指摘してくれば、年内利上げ観測をさらに後退させ米金利の低下とドル売り圧力を強めよう。

本日の焦点-上海株反発の持続性とイエレン講演

アジア時間の焦点は引き続き上海株の動向となろう。反発基調が持続すれば、リスク回避ムードがさらに後退することで、外為市場では資源国通貨買い・円売りの展開が想定される一方、早くも息切れ感が漂うならば、外為市場は逆の展開(資源国通貨売り・円買い)となろう。

本日、もうひとつ注視すべきは、日本時間11日午前1時30分より予定されているイエレンFRB議長の講演(経済見通し)だろう。上記の通り、海外リスクが米景気回復の阻害要因であるとの認識を示せば、早期利上げ観測がさらに後退し、NYタイムは「米金利低下・ドル売り」の展開となろう。ただ、週末にEU首脳会議を控えていることを考えるならば、EUR/USDの上値は限られよう。

一方、円相場のトレンドは株式動向次第となろう。一時的ではあるものの中国リスクやギリシャリスクは後退している。しかし、円売りが限定的(=USD/JPYは日足の一目/雲の下限、EUR/JPYは135円レベル、AUD/JPYは91円レベルでそれぞれ上値がレジストされている)状況を考えるならば、株式動向によっては再び円高圧力が強まる可能性がある点には留意しておきたい。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 122.33:10日MA(黄ライン) 122.07:一目/転換線(赤ライン)
サポート 120.41:7/8安値 120.30:サポートライン

とりあえずサポートラインの維持には成功。目先の焦点は日足の一目/転換線の突破となろう。7月に入ってからこの転換線でレジストされる状況が継続しており、本日もこの状況が続くならばサポートライン再トライの可能性を常に意識しておきたい。
尚、直近のオーダー状況だが122.00及び122.50にはオファー、120.00に厚いビッドがそれぞれ観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1180レベル:レジスタンスポイント 1.1085:10日MA(黄ライン)
サポート 1.0994:一目/雲の下限 1.0916:7/7安値

上値の焦点は引き続き10日MAの攻防となろう。このMAを突破した場合は、21日MA(緑ライン)と日足の基準線(赤ライン)が密集している1.1180レベルが次のターゲットとして浮上しよう。
一方、下値は引き続き1.09台の維持が焦点となろう。テクニカル面では、日足の一目/雲の下限での攻防に注視したい。
尚、直近のオーダー状況だが1.1150及び1.1200にはオファー、1.0970には厚いビッドが観測されている。

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