欧州債券市場の動向を注視

アナリストの視点-欧州債券市場は落ち着いた反応

投資家

29日の海外外為市場は、ユーロの買戻し基調が強まりアジア/オセアニア時間のギャップを埋める展開となった。EUR/USDは、日足の一目/雲の下限でサポートされるとNYタイムには高値1.1279レベルまで上昇。その後反落するも1.12台の水準を維持する展開となった。朝方134円台まで急落したEUR/JPYは138円台を回復する局面が見られ、節目の0.70を割り込んだEUR/GBPは0.7170手前まで反発する展開となった。一方、ドル相場は総じて上値の重い展開に。EUR/USDでのドル売り、ギリシャリスクによる米株の下落そして金利の低下を背景にUSD/JPYは122円ミドルレベルで上値の重い状況が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

昨日のグローバル市場で筆者の興味を惹いたのは、欧米債券市場の動向だった。欧州債券市場では、欧州株式市場が総崩れとなったにもかかわらず独10年債利回りの低下幅は限定的。対照的に米10年債利回りは、グローバル株式市場が総崩れとなったことで安全性と金利妙味の面から低下圧力が強まった。結果、米独10年債利回り格差は1.55レベルでキャップされEUR/USDをサポートする一因となった。
一方、南欧利回りにもヒステリックな反応は見られない。ギリシャのデフォルトリスクを前にしても昨日のイタリア&スペインの10年債利回りは2.0%台前半、アイルランドのそれに至っては1.65%前後で推移。市場の一部ではギリシャショックの波及リスクを懸念する指摘もあるが、昨日の欧州債券市場の落ち着いた反応は、欧州債務危機がピークに達した2012年当時と今ではマーケットの状況が異なることを示唆している。短期的には「ギリシャリスク=リスク回避(株式下落要因)」として捉えておくべきだが、少なくとも中長期スパンで欧州債券市場を混乱させ、ユーロ安トレンドを形勢する程のインパクトはないだろう。

本日の焦点-ギリシャリスクに対する独金利の反応

ギリシャリスクを背景に、昨日のVIX指数(恐怖指数)は23日の12.00前後から18.85レベルまで急上昇。グローバル株式市場は総崩れとなった。本日、ギリシャによる国際通貨基金(IMF)への債務(約15億ユーロ)の返済が不履行となれば、ギリシャのデフォルトリスクが意識され、VIX指数のさらなる上昇とグローバル株式市場のさらなる下落要因となろう。外為市場では昨日のオープン同様、円高を警戒したい。

だが、そのような展開となっても円高は限定的となる可能性があろう。昨日の動向を見る限り、ヒステリックに反応しているのは株式市場だけで、欧州債券市場は上述した通りヒステリックな反応は見られないからだ。この点はドル相場のトレンドを見極める上で重要だ。独金利がヒステリックな反応を示さなければ(=急低下しなければ)昨日同様米独金利差拡大も発生せず、EUR/USDは底堅い展開が想定されるからだ。引き続きEUR/USDがドル安の震源地となれば、その影響が他のドルストレートにも波及し、株安による円高圧力の相殺要因となろう。事実、昨日の外為市場では、ドル相場が軟調に推移したことでクロス円は早朝の窓を埋める展開となった。また、クロス円が持ち堪えたことでUSD/JPYも122円台の維持に成功した。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 124.00:レジスタンスポイント 123.29:10日MA
サポート

122.04:リトレースメント38.20%

121.08:89日MA

引き続き122.00トライを想定したい。下方ブレイクした場合は、次のターゲットとして89日MA(赤ライン)を意識したい。一方、上値は10日MA(緑ライン)の上方ブレイクが焦点となろう。
尚、本日のオーダー状況だが123.50及び124.00にはオファーが観測されている。122.10、122.00そして121.50レベルにはビッドの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1279:6/29高値 1.1250レベル:10日&21日MA
サポート 1.1128:一目/基準線 1.1050:サポートライン

日足の一目/雲の下限にサポートされ大陽線が示現。サポートラインのブレイクが「だまし」であるかどうかを確認することが目先の焦点となろう。上下のチャートポイントは上記の通り。
尚、本日のオーダー状況だが1.13手前にはオファーが観測されている。

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