欧米中指標データを注視する一日

アナリストの視点-昨日のラリーは独金利に軍配

トレーダー

12日の海外外為市場では欧州タイムがドル売り優勢、NYタイムがドル買い優勢の展開となった。世界的な債券安を背景に欧州債利回りは上昇トレンドを維持。対照的に米債への投資妙味が高まったことで米金利は低下。結果、EUR/USDは1.1279レベルまで急伸。だが、NYタイムに入るとドルを買い戻す動きが強まり、1.1205レベルまで反落した。他のドルストレートも似たような値動きとなった。

一方、円相場も売り買いが交錯する展開に。欧州タイムはドルストレートでのドル安を背景にクロス円が上値を伸ばしUSD/JPYをサポートするも、ドル売りが一服すると一転して円買い圧力が強まった。米株が続落したことも円買いの一因となった模様。USD/JPYは日足の一目/雲の上限が推移する119.75レベルまで下落する局面が見られた。オセアニア時間では若干の円売りが散見されるも、大きな値動きが見られないまま本日の東京時間を迎えている。

昨日の米独金利ラリーは、独金利に軍配が上がった。目先もこのラリーの動向によるEUR/USDのトレンドは左右されよう(米金利>独金利=EUR/USD下落 / 米金利<独金利=EUR/USD上昇)。

目先の焦点は昨日も指摘した通りこのラリーが株式市場へ与える影響だが、欧州市場は4月下旬以降上値を徐々に切り下げる展開となっている。年初からの上昇幅を考えるならば未だ調整の範囲内だが、このまま欧州債利回りの上昇のみが鮮明となれば、ユーロ圏経済への不透明感が増すことで欧州株がさらに下値を模索する展開が想定される。欧州市場で「株安・債券安(=金利上昇)」トレンドが鮮明となれば、ユーロ圏経済に対する不透明感が再台頭し、結果、ユーロ売りリスクを高める要因となりかねない。この場合、特に対ポンドや円でユーロ売り圧力が強まる展開が想定される。また、本日以降より順次発表される4月の米指標データが総じて強い内容となれば、米アセットへの資金シフトが加速することでEUR/USDは1.10を視野に再びユーロ安/ドル高の展開となろう。

本日の焦点-欧米中の指標データにらみ

アジア時間は、中国の指標データに注目。4月の小売売上高(前月比予想:10.4%)及び同月鉱工業生産(同:6.0%)は共に前回より改善する見通しとなっている。中国当局が緩和強化スタンスを鮮明にしているタイミングでファンダメンタルズ改善を示す内容となれば、アジア株の押し上げ要因となる可能性があろう。株式市場が堅調に推移すれば、円相場はクロス円を中心に円売り優勢の展開となろう。

欧州時間は、ユーロ圏 / 独1-3月期 国内総生産(GDP)速報値の内容を注視したい。総じて市場予想以上となれば欧州株反転の材料となろう。欧州債利回りが上昇トレンドを維持する中で欧州株式も堅調に推移すれば、EUR/USDは1.14台へ向け反発基調を強めよう。逆に市場予想以下ならば、「株安・ユーロ売り」の展開が想定される。

NY時間は4月の米小売売上高が最大の焦点となろう。コア指数が市場予想の0.5%(前月比)を上回る内容となれば、1-3月期の景気低迷はイエレンFRBが指摘した通り特殊要因であった可能性が高いとの思惑がマーケットに広がろう。「株高・米金利上昇」を促すことで、外為市場でのドル買い戻し圧力も強めよう。逆に市場予想以下ならば、ドル安優勢の展開となろう。

Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.51:5/5高値 120.25:短期レジスタンスライン
サポート 119.78:一目/雲の上限 119.53:21日MA(赤ライン)

昨日はトライアングル上限手前で失速。ただ、日足の一目/雲の上限でサポートされていること、RSIが売り買い分水嶺の50.00以上を維持している点を鑑みるに、本日も上値トライの可能性を意識したい。焦点は上記のトライアングル上限、週明け以降オファーが観測されている120.30&120.50レベルだろう。本日の米小売売上高の結果、これらレジスタンスポイントを突破した場合は、4月13日高値120.85及び121.00が次のターゲットとして浮上しよう。尚、これらレベル付近にもオファーの観測あり。下値は、119円台の維持が焦点となろう。注視すべきテクニカルポイントは上記の通り。ビッドは119.70、119.50、119.20及び119.00に観測されている。

EUR/USD

レジスタンス 1.1290:5/8高値 1.1279:5/12高値
サポート 1.1130:サポートポイント 1.1000:サポートポイント

10日MAに絡んだ値動きが継続中。RSIが60.00レベルで推移している点を鑑みるに、ユーロ安トレンドへ転換したと判断するのは早計。本日の米欧指標データ次第で上記のレジスタンスポイントを突破し、1.13台の攻防へシフトする可能性を意識しておきたい。下値は1.11台で底固めに入るかが注目される。1.1150、1.1120及び1.1100にはビッドが断続的に並んでおり、米欧の指標データが市場予想の範囲内であれば、相場のサポート要因となろう。

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