金融政策のコントラストは不変

アナリストの視点冴えない米指標データによるドル売りは限定的

EUR/USD

週明けのNY外為市場はドル買い優勢の展開に。冴えない米非農業部門雇用者数(3月)による早期利上げ観測の後退とエネルギー価格の急上昇を受け、米株は主要3市場が揃って堅調な値動きとなった。株高に米金利が追随した結果、NY外為市場ではドル買い圧力が強まり、EUR/USDは3月26日高値1.1053レベルの突破に失敗。一方、USD/JPYは1月安値を起点とした短期サポートラインの維持に成功した。また主要な資源国 / 新興国通貨でもドルを買い戻す動きがみられる等、冴えない非農業部門雇用者数の内容を早くも消化する兆しが見えた。

一方、円相場だが、USDS/JPYとは対照的にクロス円は堅調なドルストレートの影響を受け円高優勢の展開に。EUR/JPYは130.00、AUD/JPYは90.00とそれぞれ節目の水準目がけ下落幅拡大し、本日の東京時間を迎えている。

今週の外為市場は、冴えない非農業部門雇用者数(3月)の影響を見極めることが焦点になると昨日のレポートで指摘した。注目のドル相場は上記の通りドルショートカバーの展開となったが、注目すべきはEUR/USDやUSD/JPYがチャートポイントを維持したことに加え、NY原油先物5月限(WTI)/ブレント先物5 月限(ICE)が共に5-6%以上急反発したにもかかわらず、対資源国通貨でもドル買い優勢となったことだろう。これら値動きが示唆するところは、米金融政策に関する市場のテーマが、6月利上げから年内利上げ(9月~12月利上げ)にシフトしているということだろう。米利上げの時期が後ずれしても、日欧を筆頭に主要国が緩和スタンスを鮮明にしている以上、イエレンFRBが緩和の「出口」に一番近いポジションにいる事実は変わらない。よって、米国とその他の国との金融政策のコントラスト(方向性の違い)も不変であり、短期的にドルロングの調整(ドル売り)は見られても、根底部分(金融政策のコントラスト)が崩れない限り、それ(ドル売り)がトレンド化する可能性は現時点で限りなく低いということだ。

また、上記(金融政策のコントラスト)を前提にした場合、6月利上げ観測の後退は中長期的にはドル高要因と捉えることもできる。短期的には「株高オンリーのリスク選好」を背景にドルロングの調整(ドル売り)が散見さるだろうが、イエレンFRBによる年内利上げが意識されている状況下での株高維持は、米金利の上昇圧力を強める要因になることは昨日の値動きが示しているからだ。


今日の焦点 - 米雇用統計後のドル相場に注目

エネルギー価格の急反発を受け、週明けのグローバル株式市場では米株のみならずマレーシア、ロシアそしてメキシコといった資源国の株式市場も堅調に推移した。それにもかかわらず、豪ドル相場は対ドル&円で上値の重い展開となった事実を鑑みるに、マーケットはRBAによる追加利下げの可能性を強く意識していることがうかがえる。現時点で政策金利に対する市場コンセンサスは2.25%の据え置き。追加利下げが見送られても、中国経済の減速とそれに伴う資源需要の縮小懸念を重要視され、声明文で将来の利下げに言及するならば、豪ドル売りがさらに加速しよう。
注目すべきはパリティ(等価)価格が視野に入っているAUD/NZDの動向だろう。また、AUD/JPYでは、2009年2月2日安値55.56を起点としたサポートラインを完全に下方ブレイクした場合は、2014年2月上旬のサポートポイント88.25レベルを視野に下落幅が拡大する可能性を意識したい。尚、海外時間は、欧米株式にらみの展開となろう。


Technical analysis highlights

USD/JPY

レジスタンス 120.17:21日MA(緑ライン) 120.00:レジスタンスポイント
サポート 118.70:短期サポートライン 118.21:リトレースメント61.80%

テクニカルポイントは上下ともに変わらず。直近のオーダー状況を確認すると、120.00から120.60レベルにかけてはオファーが断続的に観測されている。一方、118.70-50ゾーンではビッドが並んでいる。118.00下にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.1125:リトレースメント61.80% 1.1053:3/26高値
サポート 1.0840:一目/基準線(赤ライン) 1.0786:21日MA

1.10台での上値の重さは変わらず。1.1050レベルを突破しない限り、常にダウンサイドリスクに警戒したい。テクニカルポイントとして注視すべきは一目/転換線(1.0883レベル、黄ライン)、基準線(1.0840レベル、赤ライン)そして21日MA(1.0786レベル、緑ライン)となろう。
尚、直近のオーダー状況を確認すると1.1050にはオファーが観測されている。一方、一目/基準線上にはビッドが観測されている。

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