軸は引き続きドル高に

Market Overview -冴えない米小売も根強いドル高優勢地合い

bg_chart_674319

2月の米小売売上高が市場予想を下回り、早期利上げ懸念が一時的に後退。これを背景に米国株式市場では、主要3市場がそろって反発した。一方、外為市場ではドルロングを調整する動きが散見され、EUR/USDは1.0684レベルまで反発。USD/JPYも120.66レベルまでドル売りが進行した。ただ、前者は1.07トライに失敗し、後者は120円ミドルを維持し続けている現状を鑑みるに、依然としてドル先高観が根強いことを示唆している。

堅調なドル相場とは対照的にポンド相場は、カーニー・イングランド中央銀行(BOE)総裁が低インフレが長期化するリスクについて言及したことで軟調に推移した。EUR/GBPが1%超下落したことを受け、対ドル&円でのポンド下落を誘発した。

 

筆者は昨日のレポートで、冴えない米指標データの内容は早期利上げ懸念を後退させ、米国マーケットは「株高+金利低下」になると指摘。結果、外為市場では「株高オンリーのリスク選好」を背景にドルロング調整地合いになると予想した。冴えない米小売の指標データを背景にドル売り圧力が強まりUSD/JPYは上値の重い展開となった一方、EUR/USDは反発し、且つ豪ドルやクロス円が堅調に推移したことも鑑みるに、筆者の予想はある程度あたっていた。

一方、予想が外れた部分は冴えない米小売を受けて尚、米金利の低下が限定的であったこと。それ故ドルロング解消も一時的な現象に終わったことだろう。これらの事実は、現在のマーケットが米早期利上げに対していかに神経を尖らせているかを示唆している。米金融政策の方向性を見極める上で最も重要な米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週に控えていることを考えるならば、それまでは米早期利上げ観測を軸に現在のドル高優勢地合いが大きく崩れることは想定し難い。

Today’s Outlook -「米株高+金利上昇」同時発生がUSD/JPY上値トライの条件

ドル高地合いの継続を軸と考えた場合、円相場のトレンドはUSD/JPY次第となろう。そのUSD/JPYは引き続き株式にらみの展開となろう。昨日の米株反発を受け、本日の日経平均は終値ベースで1万9千円を維持する可能性がある。よって、東京時間の円相場は堅調に推移することが想定される。

最大の焦点は、米指標データの内容と米株の反応だろう。昨日のレポートでも指摘したように、USD/JPYが122円以上をターゲットに上値トライとなるには、「米株高+金利上昇」の同時発生という条件をクリアする必要がある。そのためには好調な米指標データと米株がそれに素直に反応する必要があろう。本日注目の米指標データは、日本時間21時30分の生産者物価指数(2月、PPI)と23時のミシガン大学消費者態度指数・速報値(3月)となろう。総じて好調な指標データに米株が素直に反応すれば、「米株高+金利上昇」を背景にUSD/JPYは122円台へ再上昇することが想定される。逆に冴えない指標データによる米高となれば早期利上げ観測の後退(=米金利の低下)につながることから、USD/JPYは昨日同様121.00を挟んで上値の重い状況が継続しよう。一方、クロス円は株高を背景に堅調に推移しよう。

Technical analysis highlights

レジスタンス 122.50:レジスタンスポイント 122.03:3月10日高値
サポート 120.58:リトレースメント23.60% 119.80:21日MA(赤ライン)

昨日、120.66レベルでサポートされた事実を鑑みるに、目先注目すべきテクニカルはリトレースメント23.60%が位置する120.57レベルだろう。このレベルを下方ブレイクしても節目の120.00、21日MAそして1月16日安値115.85を起点としたサポートラインを維持する限りドル高優勢地合いは継続しよう。一方、上値の焦点は122円台の再上昇で変わらず。

尚、直近のオーダー状況を確認すると、121.50、121.80、122.00、122.20レベルにはそれぞれオファーが観測されている。ストップは122.50上に観測あり。ビッドは、120.50と120.00レベルに観測されている。また、120.20下にはストップの観測あり。

EUR/USD

レジスタンス 1.0740:リトレースメント23.60%戻し 1.0700:レジスタンスポイント
サポート 1.0500:サポートポイント 1.0450:サポートポイント

ユーロ反発も1.07手前で反落した事実は、逆にドル先高観を暗示。テクニカル面での焦点はリトレースメント23.60%戻しレベルの突破だが、このレベル上にはオファーが観測されておりユーロの上値のレジストする可能性があろう。一方、下値は引き続き1.05の攻防に注目したい。このサポートポイントを下方ブレイクした場合は、ビッドが観測されている1.0475-65ゾーン及び1.0450を次のサポートポイントと想定したい。

本レポートはお客様への情報提供を目的としてのみ作成されたもので、当社の提供する金融商品・サービスその他の取引の勧誘を目的とした ものではありませ ん。本レポートに掲載された内容は当社の見解や予測を示すものでは無く、当社はその正確性、安全性を保証するものではありません。また、掲載された価格、 数値、予測等の内容は予告なしに変更されることがあります。投資商品の選択、その他投資判断の最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようお願いいたしま す。本レポートの記載内容を原因とするお客様の直接あるいは間接的損失および損害については、当社は一切の責任を負うものではありません。

無断で複製、配布等の著作権法上の禁止行為に当たるご使用はご遠慮ください。

投資手法・戦略ガイド

  • CFDの取引方法

    ここでは、IG証券の取引プラットフォームを紹介し、多様な資産クラスを提供するCFDを有効に取引するための方法について説明いたします。また、ストップ注文やリミット注文などの機能、レバレッジ取引の仕組みについても解説いたします。

  • 価格とウエイト

    主要株価指数と非主要株価指数の目的、さらにその算出方法について理解します。世界で最もポピュラーな取引商品のいくつかを例に挙げ、株価指数という乱高下の激しい市場のエクスポージャーを得る方法を学びます。

  • 「売り」取引の方法

    売りポジションの保有から取引をスタートする事により下落市場で利益を得たり、既に保有している金融資産のリスクヘッジを行うことができます。このセクションでは「売り」取引の仕組みについて学びます。