米株に振り回される円相場

Market Overview -不安定化する米株   EUR/USDは長期サポートラインをブレイク

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10日の欧米株式市場はリスクを回避する動きが強まり、総じて軟調な地合いとなった。特に米国株式では米早期利上げとドル高による米企業の業績悪化懸念を背景に、主要3市場がそろって1.6%以上下落した。これを受け米金利もリスク回避から各ゾーンで低下圧力が強まった。
「株安+米金利低下」を背景にUSD/JPYは東京時間に付けた高値122.04レベルでレジストされると、NYタイムには121円台を割り込む局面が見られた。ただ、EUR/USDが2000年10月安値0.8231レベルを起点とした長期サポートラインを下方ブレイクし、約12年ぶりの安値圏へ下落する等、外為市場全体を俯瞰すればドル高傾向が継続したことで、「株安・ドル円の失速・ドルストレートでのドル高」の3重苦により、クロス円も円高優勢の展開に。EUR/JPYは節目の130円割れ、原油価格の下落もありAUD/JPYやCAD/JPYも東京時間に付けた高値レベルから1円超下落する展開となった。オセアニア時間ではドル&円買い圧力が若干後退したものの大きな変化は見られず、NYタイムの流れを引き継いだまま、本日の東京時間を迎えている。

現在の外為市場は、典型的な「リスク回避のドル高」地合いとなっている。この背景にあるのは言うまでもなく米早期利上げに対する懸念だが、それを理由に来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)後も米国株式が下値を模索し続けるならば、米金利には強烈な低下圧力が強まろう。米金利の上昇は現在のドル高地合いを支える土台である。その土台が崩れれば、これまで積み上がってきたドルロングを調整する絶好の材料と市場関係者は捉えよう。

 

Today’s Outlook -円相場は株式にらみの状況が続く

 

米株の動きに連動するように、円相場も上下に振れる展開となっている。本日の円相場も株式にらみの一日となるだろうが、注視すべきはUSD/JPYの動向だろう。米早期利上げ観測が再台頭していることで、円相場のドライバーはクロス円からUSD/JPYへとシフトしているからだ。そのUSD/JPYが、クロス円でのこれ以上の円高を阻止できるかどうかは、昨日のレポートでも指摘した通り米株の動向次第だろう。米株が再び上値トライとなれば、米金利への低下圧力も後退しよう。結果、「株高+米金利上昇」を背景にUSD/JPYは再び122円台を視野に上値トライとなり、ドルストレート経由でのクロス円の下落を相殺しよう。

問題は、上述した通り米株が下落トレンドを形成した場合だ。日欧の緩和政策により、ただでさえ米債への投資妙味が増す中、株安による逃避需要まで合わされば、米金利には強烈な低下圧力がかかるだろう。また、グローバル株式市場全体が再び不安定化することで、さらに米債への資金シフトを促す流れが形成されよう。「株安+米金利低下」がトレンドとなれば、USD/JPYは当然下値トライとなろう。それは、クロス円を下支えする土台が崩れることを意味する。米金利、グローバル株式市場そして円相場のトレンドを左右する米株の動向に今後も神経を削る状況が継続しよう。

 

 

 

Technical analysis highlights

 

 

USD/JPY

レジスタンス 122.50:レジスタンスポイント 122.03:3月10日高値
サポート 120.58:リトレースメント23.60% 119.53:21日MA(3/10現在、赤ライン)

上値の焦点は10日高値の突破となろう。122円台の攻防へとシフトすれば、オファーとオプションバリアが観測されている122.50の攻防が次の焦点として浮上しよう。

一方、下値は120円台の維持が焦点となろう。テクニカル面では122.03からの23.60%戻し(120.57)での攻防に注目したい。このテクニカルポイントは9日の安値レベルに位置しており、尚且つ120.60-50ゾーンにはビッドが観測されている。また、120.20レベルにはストップ、120.00を挟んだ水準ではビッドとストップが混在する状況となっている。

EUR/USD

レジスタンス 1.0873:リトレースメント23.60%戻し 1.0800:レジスタンスポイント
サポート 1.0600:サポートポイント 1.0500:サポートポイント

目先の重要テクニカルポイントであった2000年10月安値0.8231レベルを起点とした長期サポートラインをも下方ブレイクしたことで、さらなるダウンサイドリスクを警戒したい。目先の下値焦点は1.06台の維持だが、2003年前半の動向を振り返ると、重要サポートポイントとして意識すべきは1.05だろう。このレベルには厚いビッドとオプションバリアが観測されている。尚、1.0665及び1.0620にもビッドの観測がある。
一方、上値は昨日安値からの23.60%戻しレベルを突破出来るかが目先の焦点となろう。

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