ドル円のトレンドは米株次第

Market Overview -焦点は最後の条件クリア

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6日に発表された米雇用統計(2月)では、非農業部門雇用者数変化が29.5万人増、失業率が5.5%へ低下する等、労働市場の持続的な改善傾向が改めて確認された。注目された平均時給の伸びは平均予想の0.2%増を下回る0.1%増となったものの、発表後の米金利上昇とドル高の加速を鑑みるに、3月17-18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で「忍耐強くなれる(be patient)」の文言が削除される可能性が高まってきたことをマーケットが意識していることがうかがえる。
また、米欧の金融政策のコントラスト(方向性の違い)が意識され、ユーロドルがソーサー・トップの形状を維持したままユーロの下落トレンドが継続している点も鑑みるに、持続的なドル高トレンド回帰へ向けた3つの条件(①米指標データ、②持続的なユーロ安、③米株高の維持)のうち2つをクリアしていることから、今週の外為市場はドル高優勢の一週間となる可能性が高いだろう。

ただ、他のドルストレートと一線を画し、ドル円のトレンドはポイント③米株の動向次第となろう。筆者は直近の米株の動向から、今回の雇用統計が労働市場の改善を示す内容となれば「労働市場の改善→ファンダメンタルズの改善→株高維持」を想定していた。しかし、実際は米早期利上げ観測の台頭を背景に主要3市場は揃って下落。ダウ平均は2月9日以来約1ヵ月ぶりの安値水準まで反落すれば、S&P500種株価指数もここ2ヶ月で最大の下げ(前日比-1.4%)となった。今週もこの状況(米株の下落)が続くならば、堅調さを取り戻してきたグローバル株式市場も再び不安定化することで、外為市場ではリスク回避のドル&円買い優勢の展開となろう。そして直近の動向を鑑みるに、株安による円買い圧力が米金利上昇によるドル買い圧力を凌駕し、ドル円は下値トライの展開が想定される。ドルストレートでのドル買いに加え株安も合わされば、クロス円全般も下値トライとなろう。

ただ、2014年からの米株調整入りパターンを鑑みるに、筆者は3月の米株は高値圏を維持する可能性が高いと考えている。また、来週のFOMCでイエレンFRBが「忍耐強くなれる(be patient)」との文言を削除しても、その事が、必ずしも今後数回の会合での利上げを意味しないと、先月の議会証言で地ならし発言をしていることも考慮するならば、米株が大きく崩れる可能性は低くなっている。よって米株高維持となれば、持続的なドル高トレンド回帰の条件がすべて揃うことで、ドル円も含めたドル相場全体でドル高トレンドがより鮮明となろう。


Today’s Outlook -株式にらみの一日

ドル円がドル高トレンドに追随できるかどうかは、株式動向次第であることは上述した通り。その株式市場だが、アジア時間は6日の米株下落を受け、総じて軟調に推移する可能性があろう。株安に加えドルストレートでのドル買いによるクロス円の上値の重さも考慮するならば、ドル円もダウンサイドリスクに警戒したい。
ただ、海外時間もそのまま円高トレンドが継続するかどうかは、米株の動向次第だろう。週明けの米株が強い雇用統計をファンダメンタルズ改善として受け止めなおせば、ドル円は来週のFOMC前に2014年高値121.86レベルをトライする展開となろう。
逆に米株下落が継続した場合はグローバル株式市場の不安定化を招き、ドル円はクロス円共々下値トライを想定したい。テクニカル面での焦点は下記「TECHNICAL ANALYSIS HIGHLIGHTS」を参照されたし。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 121.86:2014年最高値 121.29:3月6日高値
サポート 119.30:21日MA(3/6現在、赤ライン) 118.85:短期サポートライン

上値の焦点は2014年高値121.86レベルの突破となろう。6日の上ヒゲの長さを鑑みるに121円台での売り圧力は健在。ただ、米株高維持となれば122円台上昇への可能性が一気に高まろう。一方、下値は目先、120円台の維持が焦点となろう。これを達成すれば、マーケットはあらたなレンジ相場へシフトしたと捉えよう。逆に120円台の維持に失敗した場合は、21日MA(赤ライン)及び短期サポートライを維持出来るかが、次の焦点として浮上しよう。

ユーロドル

レジスタンス 1.1000:レジスタンスポイント 1.0900:レジスタンスポイント
サポート 1.0800:サポートポイント 1.0750:長期サポートライン

目先、最大の注目ポイントは2000年10月安値0.8231レベルを起点とした長期サポートラインでの攻防だろう。このラインをも完全に下方ブレイクした場合は、いよいよパリティ価格が視野に入ろう。ただ、これまでのユーロ下落を鑑みるに、いつショートカバーが入ってもおかしくない状況でもる。その場合、焦点は1.10台の回復となろう。

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