揺らぐドル高ストーリーの軸

Market Overview -高まるドル安リスクの可能性

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18日のNY外為市場ではドル売り優勢の展開に。材料視されたのはハト派寄りとなった連邦公開市場委員会(FOMC)議事録だった。FOMC声明(1月27-28日)を踏襲すると想定されていただけに、NYマーケットは当然のごとく「米金利低下・ドル売り」で反応した。EUR/USDは1.1340レベルから1.14台を回復。USD/JPYは119.30レベルから安値118.54を付ける展開に。USD/JPYの下落に圧されクロス円も総じて円高優勢の展開となった。
一方、米株式は横ばい圏で推移。原油価格が反落し、且つこの日発表された米指標データも相変わらず冴えない内容が続いたが、ハト派寄りのFOMC議事録がサポート要因となった。ギリシャリスクに揺れる欧州株式も総じて堅調に推移。一方、主要な新興国株式市場は強弱まちまちの展開になる等、リスク選好とも回避とも言えない状況が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

筆者が描くドル高ストーリーの軸となっているのは、米ファンダメンタルズ改善とそれに伴う早期利上げである。しかし、1月下旬に発表された四半期GDP速報値以降、雇用統計を除けば、企業活動、個人消費そして住宅といった各指標データで下振れが目立っている。「指標データ次第-Data Dependency」スタンスを掲げるイエレンFRBが、それでも6月利上げを目標に金融正常化の道をひた走るのかどうかがドル高トレンド維持の最後の砦と考えていたが、昨日公表されたFOMC議事録では、米国外のリスク要因と時期尚早の利上げが米経済に与えるネガティブインパクトについて言及。また、フォワードガイダンスとして用いている「忍耐強くいられる(patient)」を削除した場合のマーケットの過剰反応への懸念、さらにはドル高リスクに言及する等、6月利上げ観測を後退させる内容となった。

ドル高ストーリーの軸が揺らぎ始めたことに加え、ギリシャリスクに直面しながらもEUR/USDが底堅さを保っていること、原油価格の底入れ期待を背景に資源国通貨での買戻し圧力が強まっていること、そして4月の統一地方選挙をにらんでか、これ以上のドル円上昇は避けたいとの思惑が日本サイドから感じられ始めたこと等を鑑みるに、ドル安リスクが高まっていると言える。

今後注目したいのはドルインデックス(DXY)の動向だろう。米指標データで下振れが散見され始めた1月下旬以降、DXYは93.00-95.00のレンジ相場となっている。レンジの下限を下方ブレイクする展開は、ドル安リスクが台頭してきたシグナルと捉えたい。


Today’s Outlook -焦点は株式動向と米指標データ

本日も米指標データが最大の焦点となろう。総じて冴えない内容が続けば、米ファンダメンタルズ改善期待と6月利上げ観測の後退を背景に米金利の低下をさらに促そう。外為市場ではドル安圧力を強めよう。
注目は株式市場だが、FOMC議事録がハト寄りとなったこと自体はサポート要因と言える。ただ、冴えない指標データが続く中での株高維持は期待できない。2月以降リスク選好の原動力なってきた原油価格が下落すれば、米株が崩れる可能性がある。その影響がグローバル株式市場の不安定化を招く可能性があることも考えるならば、ドル安の他、円高の逆回転リスクにも引き続き注視する必要があろう。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.00:レジスタンスポイント 119.50:レジスタンスポイント
サポート 118.35:トライアングル下限 118.17:一目/基準線(18日時点、緑ライン)

118.00-119.50を中心レンジと想定。ドル安リスクの可能性を考えるならば、トライアングルの下限及び一目/基準線(赤ライン)の攻防に注視したい。基準線が推移するレベルから118.00にかけてはビッドが断続的に並んでいる。一方、レンジの上限119.50レベルにはオファーが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.1534:2月3日高値 1.1481:一目/基準線(18日現在、赤ライン)
サポート 1.1300:サポートポイント 1.1250:サポートポイント

上下のチャートポイントは引き続き変わらず。直近のオーダー状況だが、1.1450及び1.1480-1.1500にかけてオファーが観測されている。ビッドは1.1310、1.1300に観測されている。また、1.1290から1.1250にかけてはビッドとストップが混在している。

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