焦点は株高の維持

Market Overview-ドラギECB、規模のサプライズを提供

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欧州中央銀行(ECB)は22日、大方の予想通り量的金融緩和の導入を決定した。焦点はその内容だったが、買入れ対象は国債が中心、買入れ規模は月額600億ユーロ、期間は今年3月から来年9月までの19か月間とした。単純計算でも現行のバランスシート拡大目標の1兆ユーロを上回る内容となることから、規模の面でドラギECBはサプライズを提供したと言えよう。また、買入れ期間に関しても、ECBの中期的なインフレ目標と整合性が確認されるまで実施する(ドラギ総裁)、としており事実上のオープンエンドとなった点も重要だ。

観測報道以上の内容に各マーケットは素直に反応。外為市場では、ユーロドルが昨日指摘した1.1370のサポートポイントを一気に下方ブレイクすると、安値1.1316レベルまで急落。ユーロ円も昨年10月16日安値(134.14)に迫る134.22レベルまでユーロ安が進行した。一方、主要な欧州株式市場は軒並み1%を超える上昇となった。原油価格(NY原油先物3月限)の反落にもかかわらず米株も欧州株に追随し、ダウ工業株30種平均は2週間ぶりの高値水準で取引を終了。堅調な欧米株式は主要な新興国のそれらの上昇もけん引した。

筆者は、ECBによる緩和強化の内容が事前の観測報道通りならば株式市場での利益確定、ユーロ圏コア国の利回り反発、ユーロのショートカバーを想定していた。だが実際は、規模の面でのサプライズがSell the factの反応を凌駕するかたちとなった。ギリシャの総選挙と不安定な原油価格は依然として懸念材料としてあり続けている。しかし、このネガティブ要因を跳ね返し、下記で言及している2つのリスク選好の土台を背景に欧米株式が来週も高値圏を維持するならば、筆者が想定している2月上旬前にリスク選好回帰ムードが強まろう。

そのような状況となれば、円相場では円安圧力が強まろう。株高維持となった場合、注視すべきは米金利の動向だろう。低迷する原油価格や日欧緩和の影響もあり、株高維持となっても米金利は「緩やかな上昇」トレンドしか描けないだろう。ただ、米金利の「緩やかな上昇」はポジティブ要因(米金利変動リスクの後退要因)であることも事実である。それは持続的な株高継続要因であり新興国リスクの後退要因でもあるからだ。「持続的な株高+米金利の緩やかな上昇」となれば、ドル円は下記で指摘している21日MAを突破し、120円を再び視野に上昇してもおかしくないだろう。


Today’s Outlook -株高の持続性に注目

円相場の焦点は株高の持続性にあろう。ユーロ円とは対照的に、22日のドル円は21日MAを視野に入れる展開に。押し上げ要因となったのは堅調なグローバル株式市場だった。株高維持の2つの土台が、日欧緩和マネーと米ファンダメンタルズ改善であることは何度も指摘してきたが、前者に関しては想定通り今後株高の土台としてあり続けることが決定した。残るは米ファンダメンタルズ動向だが、本日の指標データ(12月中古住宅販売件数、同月景気先行指標総合指数)が総じて市場予想を上回るようならば、米株のサポート要因となろう。米株続伸となれば、米金利には「緩やかな上昇」圧力が強まろう。結果、ドル円は目先のレジスタンスである21日MA突破の可能性が高まろう。

一方、ユーロ円は重要サポートポイント134.14レベルでの攻防が焦点となろう。株高維持に失敗すれば2014年10月16日安値―2014年高値の全戻しを達成し、且つ下値を模索する展開となろう。一方、株高維持ならば、134.14レベルをかろうじて維持する展開があり得る。ただ、ショートカバーとなっても、ECBの緩和強化の影響とギリシャリスクがくすぶる現状では上値は限定的だろう。ショートカバーの展開となるならば、それはギリシャ総選挙後となろう。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 119.59:76.40%戻し 118.87:61.80%戻し
サポート 117.18:1月21日安値 115.86:1月16日安値

2日連続で長い下ヒゲが示現。焦点は引き続き118.85前後を突破できるかどうかだろう。このレベルには、16日安値からの61.80%戻しと21日MA(緑ライン)がクロスしている。一方、下値は117円台の維持が焦点となろう。
尚、直近のオーダー状況だが、119.00&119.50にはオファーが観測されている。ビッドは117.00、116.90-80、116.50レベルと断続的に並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.1444:リトレースメント38.20% 1.1395:リトレースメント23.60%
サポート 1.1316:1月22日安値 1.1300:サポートポイント

本日はギリシャリスクを意識し1.13割れを警戒。ユーロを買い戻す動きとなっても1.14レベルまでが限界と想定したい。尚、直近のオーダー状況だが、1.1300には厚いビッドが観測されている。

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