米雇用統計、リスク選好回帰のきっかけとなるか

Market Overview-リスクセンチメント改善も油断は禁物

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8日の欧米株式市場は続伸。欧州中央銀行(ECB)の緩和強化期待を背景に欧州株式は年初からの下げ幅を埋める展開となった。欧州株式の急反発は米株の上昇を誘発。ダウ工業株30種平均やS&P500も年初からの下げを取り戻した。堅調な欧米株式は主要な新興国株式をけん引すると同時に、米金利にかかり続けてきた低下圧力も後退させる要因となった。米10年債利回りは2.0%を回復。ECBの緩和強化、米株高と金利低下圧力の後退に伴い外為市場ではユーロドルが1.18割れの展開に。ドル円は120円台を視野に入れる状況が継続したまま、本日の東京時間を迎えている。

想定通り、ECBの緩和強化期待が欧米株式市場のサポート要因として機能している。ただ、中国の景気減速懸念やギリシャリスクに加え、昨日は米シェール企業のWBHエナジーが連邦破産法11条を申請するという不安なニュースも飛び込んできた。やはり、真にリスク選好へ回帰するには、これまでリスク選好の土台となってきた米国経済の持続的な回復を示すさらなる「証拠」が必要となろう。それは言うまでもなく指標データであり来週以降本格化する企業決算となろう。本日の雇用統計(12月)をはじめ来週以降の重要指標データ&決算内容が総じて市場予想以上ならば、「フラミンゴ経済」の継続期待を背景に1月下旬にもリスク選好への回帰が鮮明になろう。

尚、1.18ブレイクとなったユーロドルだが、1月下旬までに次の重要サポートポイント1.1640レベルをトライしてもおかしくない状況となってきた。だが、ECBによる1月緩和強化を背景としたユーロ売りは期待先行により相当進行していること、且つテールリスクとしてのギリシャのユーロ圏離脱といった材料をこなせば、その後は調整局面に入ると想定している。現時点での戻りのレンジは、1.2000-1.2550を想定している。

Today’s Outlook -焦点は米雇用統計に

リスクセンチメントの改善が続くかどうか、本日その鍵を握るのは米雇用統計(12月)となろう。非農業部門雇用者数の予想値は24.0万人、失業率のそれは5.7%となっている。これら予想値を超えるだけでなく、賃金の持続的な上昇も確認されるかが焦点となろう。量と質の両面における労働市場の改善は、将来の個人消費拡大を想起させよう。この場合、米国マーケットは「株高・金利の緩やかな上昇・ドル買い」で反応しよう。ユーロドルは1.16台の攻防へシフトするかが注目される。ドル円の焦点は120円台への再上昇となろう。

逆に冴えない内容となれば、米株では利益確定売り優勢の展開とり、且つ米金利には再び低下圧力が強まろう。外為市場ではドルロング調整地合いとなろう。逆に株式下落は円買い圧力を強めよう。特にユーロ円の動向には注視すべきだろう。一方、新興国通貨は「リスク回避のドル買い」を背景に総じて軟調な地合いとなることが想定される。特に経常赤字を抱える国や資源輸出に頼る国の通貨は、対ドルで上値の重い展開となることが想定される。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.74:1月2日高値 120.11:リトレースメント76.40%
サポート 118.63:一目/基準線(赤ライン) 117.93:リトレースメント23.60%

120円台への再上昇か基準線割れの118.00トライとなるか。好調な米雇用統計を背景にリスクセンチメントの改善が継続すれば、120円台への再上昇を想定したい。テクニカル面では1月高安の76.40%戻し120.11レベルトライが焦点となろう。逆にリスクセンチメントが再び悪化すれば、一目/基準線ブレイクを想定したい。118.00(2014年高値121.86からのリトレースメント23.60%117.93)の維持にも失敗すれば、来週以降115円台への反落リスクを意識する展開となろう。尚、直近のオーダー状況だが120.00にはオファー、120.20上にはストップが観測されている。ビッドは119.00、118.80、118.50そして118.00にそれぞれ観測されている。

ユーロ円

レジスタンス 142.00:レジスタンスポイント 141.64:一目/雲の下限
サポート 140.56:1月6日安値 140.00:サポートポイント

2日連続で日足の一目/雲でレジストされた事実を考えるならば、引き続きダウンサイドリスクを警戒すべきだろう。上値は一目/雲の下限を完全に突破できるかが注目される。下値は140.00トライとなろう。尚、直近のオーダー状況だが昨日と同じく142.00にはオファーが観測されている。142.50レベルにもオファーの観測あり。一方、140.50と140.00レベルにはビッド、下の水準ではそれぞれストップが置かれている。

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