リスクセンチメント改善は経済指標次第

Market Overview-素直に反応した米株

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11日の海外外為市場は、ドル高優勢の展開となった。米小売売上高(11月)が前月比0.7%増、コア指数も同0.5%増と強い伸びを示したことを受け、米株が反発。米金利も短期ゾーンを中心に低下圧力が後退したことから、外為市場ではドルを買い戻す動きが強まった。ただ、引けにかけて米株が上げ幅を縮小し且つ米金利の反発が限られたことを受け、NYタイム終盤には再びドル売り優勢の展開に。もうしばらく調整相場が続くことを暗示する値動きとなった。

昨日の値動きで注目すべき点は、強い指標データに米株が素直に反応したことだろう。5日の雇用統計(11月)に続き、小売売上高(同月)も年末商戦の好調な消費を背景にコア指数が市場予想(0.4%増)を上回った。緩和中毒から脱し切れていない株式市場の状況を考えるならば、強い指標データはイエレンFRBによる早期利上げ「懸念」を台頭させる可能性もあったが、米株は素直に反発。この背景にあるのは、既に指摘している通り日欧による新たな緩和マネーの流入期待だろう。昨日、欧州中央銀行(ECB)が306行を対象に実施した第2回の期間4年の条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)は、市場予想の1300億ユーロを下回る1298.4億ユーロとなった。この結果を受け、ECBは来年1月もしくは3月理事会で緩和強化を決定するとの観測が台頭。欧州債券市場では独10年債利回りが一時0.657%まで低下し過去最低を更新。ユーロは下落した。

短期的にはクリスマス休暇や年末にらみのポジション調整(株売り・ドル売り・円の買戻し)がもうしばらく続く可能性が高いが、現在のリスク選好の土台である米国のファンダメンタルズ改善と日欧の緩和マネー流入期待が崩れない限り、早ければ12月最終週よりリスク選好ムードが再び強まることを想定している。

Today’s Outlook -米欧中の経済指標にらみ

本日の外為市場を動かす材料は、米欧中の各経済指標となろう。日本時間14時30分に中国の小売売上高(11月)と鉱工業生産(同月)が発表される。強い内容となれば、投資家のリスクセンチメント改善傾向が続くことで、「株高・円安」を誘発しよう。逆に未だ調整相場が続くタイミングで、同国の景気減速懸念を示す内容となれば、リスクセンチメントが再び悪化する可能性が高い。日経平均をはじめとしたアジア株式が軟調な地合いとなれば、円相場は円買い優勢の展開となろう。

19時にユーロ圏鉱工業生産(10月)が発表される。前回0.6%増から0.2%増へ低下する見通しとなっているが、域内生産活動の低迷が確認されれば、ECBによる緩和強化が意識されることでユーロ売り圧力が強まる展開を想定したい。

NY時間は、米経済指標にらみの展開となろう。生産者物価指数(11月)とミシガン大学消費者態度指数・速報値(12月)が発表される。総じて市場予想を上回る内容となれば、米ファンダメンタルズ改善期待を背景に「株高・金利反発・ドル買い」の展開を想定したい。ただ、調整相場が続いていること、そして週末の衆院総選挙や16-17日に開催される今年最後の連邦公開市場委員会(FOMC)が控えていることも考えるならば、変動幅は限定的となる可能性が高いだろう。

Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 120.50:レジスタンスポイント 120.00:レジスタンスポイント
サポート 118.00:サポートポイント 116.50:短期サポートライン

119円を挟んだレンジ相場を想定したい。上値は120円台への到達が焦点となろう。ただ、ドルロングの調整が続く中では、オファーが観測されている120.50の突破は難しいだろう。下値は目先、118円台の維持が焦点だが、テクニカル面では短期サポートラインの維持が注目されよう。このラインは今日現在116.50レベルで推移している。ビッドは118.00、117.50、117.00そして短期サポートラインが推移している116.50レベルにそれぞれ観測されている。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.2500:レジスタンスポイント 1.2450:レジスタンスポイント
サポート 1.2362:12月10日安値 1.2300:サポートポイント

短期レジスタンスラインの突破は「だまし」で終わる可能性が高く、ユーロドルは上値の重い状況が続くこう。上値は引き続き1.2500、下値は10日安値レベルを想定し、どちらをブレイクするかが焦点となろう。1.2500にはオファー、1.2350には厚いビッドがそれぞれ観測されている。

 

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