原油相場が外為市場に与える影響

Market Overview-原油相場とユーロ

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9日のグローバル株式市場も、世界経済への先行き懸念を背景に総じて軟調地合いとなった。リスク選好の先導役である米国株式では、ダウ工業株30種平均とS&P500が続落。ただ、引けにかけては下げ幅が縮小し、ナスダック総合が反発して終える等、米景気回復に対する根強い期待感を垣間見る展開となった。グローバル株式の動向は、安全資産である米債への投資妙味を高め米金利は低下。外為市場ではドルロングを調整する動きが継続し、ユーロドルは1.2448レベルまでドル安が進行した。ただ、ポジション調整の範囲内であることは21日MAがレジスタンスとなった点でも明らかだろう。一方、ドル円も「株安+米金利低下」を背景に、117.93レベルまで急落する局面が見られた。しかし、こちらはユーロドルとは対照的に21日MAがドル円をサポート。上述した米株の動向に追随するように119円後半まで反発し、本日の東京時間を迎えている。

株式下落の一因である現在の原油相場の下落は、石油輸出国機構(OPEC)の減産見送りに加え、日本、中国そして欧州の景気減速懸念がタイミング悪く重なったことが要因。だが、その根底には米国のエネルギー革命が影響している。これから米国が安価なシェールガスの輸出攻勢(2016年前後には日本へも輸出される予定)を強めてくることを考えるならば、今後も原油価格の軟調な地合いは継続する可能性が高い。よって、リスク回避要因として意識されている現在の原油相場の動向は短期的な「株高・ドル高・円安」のポジション調整の材料に終わる可能性が高いだろう。一方、中長期スパンで俯瞰すれば、シェールガスの輸出により米国の貿易赤字縮小とドル高トレンド維持に貢献しよう。ドル高トレンド維持の観点から、目先注視すべき点は、米FEDサイドの見解だろう。原油価格の下落はインフレの低下要因となることから、今後FEDサイドがこの点に関してどのような見解を示すかによって、早期利上げに対する思惑が左右される可能性はあろう。

だが、原油相場の動向が与える影響に関しては、ドル相場よりもユーロ相場に注視すべきだろう。ユーロ圏経済がディスインフレに直面しているタイミングでの原油価格の急落は、その傾向を一層強める要因となるからだ。すでに来年1月or3月の欧州中央銀行(ECB)理事会で緩和強化に踏み切ることはマーケットも想定しているが、今後の原油相場の動向によっては、早くも1月に踏み切る可能性が強く意識されよう。過去2回の長期流動性オペ(LTRO)の返済期限が2015年1月29日と2月26日に予定されている点も、1月緩和強化の可能性をマーケットに意識させる要因となろう。ユーロドルは引き続きベアトレンドを想定している。

Today’s Outlook -引き続き株式にらみの展開

本日も株式にらみの展開となろう。米国株式の下落幅縮小がグローバル株式市場をサポートすれば、円相場は円安優勢で推移しよう。ただ、9日の軟調なシカゴ日経先物(12月物)の動向を鑑みるに、東京時間は円高リスクを警戒したい。海外時間は米国株式の動向次第だろう。米要人や経済指標の発表が予定されていない点を考えるならば、米株&円相場で調整地合いが継続する可能性があろう。

尚、経済指標では日本時間10時30分に公表される11月の中国経済指標(生産者物価指数、消費者物価指数)に注目したい。中国の景気減速懸念が再び意識される中、総じて景気減速を示す内容となれば、グローバル株式の下落要因となろう。また、外為市場では中国の景気減速懸念を背景に米金利での低空飛行が続くことでドルロングを調整する動きが継続しよう。円相場は円高優勢の展開を想定したい。

Technical analysis highlights

レジスタンス 121.00:12月9日高値 120.00:レジスタンスポイント
サポート 119.00:サポートポイント 118.29:21日MA(緑ライン)

引き続き調整地合いを警戒したい。目先の下値焦点は119円台の維持だが、テクニカル面では21日MAでの攻防が焦点となろう。上値は120円台へ再上昇出来るかどうか、それを達成した場合維持出来るかが注目される。尚、朝方のオーダー状況を確認すると120.00にはオファー、一目/基準線(赤ライン)の上117.50にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.2476:12月2日安値 1.2440:21日MA
サポート 1.2292:12月9日安値 1.2200:サポートポイント

21日MAでの攻防に注目したい。今日現在1.24ミドル下で推移しているが、このMAを上方ブレイクすればユーロのショートカバー(ドルロング調整)地合いが継続することで、2日高値レベルをトライしよう。下値は1.22台の攻防へシフトするかが注目される。尚、朝方のオーダー状況だが1.2450にはオファー、1.2300にはビッドが観測されている。

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