焦点は米欧インフレ関連指標に

Market Overview-反応が鈍い米金利

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前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、今後の指標データ次第で利上げ開始のタイミングが早まる可能性について言及していたが、この日発表された7-9月期の米実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比年率+3.5%と、市場予想の同+3.0%を上回る結果に。外為市場は素直にドル買いで反応。ユーロドルは1.2546レベルまでドル買いが進行した。好調なGDP統計と企業決算を背景に米国株式も堅調に推移した。ただ、これら(好調なGDP、米株高)対する米金利の反応は鈍く、2年債&10年債利回りは小幅に低下。このためドル高トレンドは長続きせず、時間の経過とともにドルを売る動きが強まった。

一方、円相場は円安優勢の展開に。上記の米株高に加え、日本の年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が31日にも新たな運用方針(国内債券の運用比率を35%に引き下げると同時に国内株式のそれを25%に引き上げる方針)を発表するとの報道(日経新聞電子版)も円安を後押しした。

昨日気になったのは、米金利の動向だった。タカ派寄りの内容となったFOMC声明、市場予想を上回った米7-9月期GDP、そして好調な企業決算やファンダメンタルズ改善期待を背景に高値圏を維持している米株の動向をもってしても、米金利の反応は鈍い。背景のひとつとして考えられるのは、低インフレに対する懸念だろう。7-9月期の個人消費は+1.8%と、市場予想の+1.9を下回り且つ前四半期の+2.5%からも減速した。抑制されている賃金の伸びが個人消費拡大の足かせとなっていることが示唆された格好となった。ドル高トレンド回帰に必要な「土台」を構成する要素のひとつがインフレ動向だが、本日の個人消費支出(9月、PCEコア・デフレーター)から来週の雇用統計(10月)といった一連の重要経済指標で低インフレ懸念を払しょくできるかどうかが、「土台」再構築の行方を左右しよう。



Today’s Outlook -インフレ指標にらみの一日

本日も米経済指標がメインテーマとなろう。日本時間21時30分に上記の個人消費支出(9月、PCE)が発表される。予想は前月比+0.1%と前回の同+0.5%から低下する見通し。コア指数のそれは同+0.1%となっている。個人消費の抑制傾向が確認されれば、米金利の低下を促すことでドル売りが再燃しよう。一方、株式市場ではリスク選好トレンドが継続する可能性が高い。株高オンリーのリスクオンとなれば、円を売る動きが強まると同時に、新興国&資源国通貨が対ドルで堅調に推移しよう。ユーロドルもユーロ高/ドル安優勢の展開となろう。
逆にPCEが市場予想を上回るようならば、米金利への低下圧力が後退しドル高優勢の展開となろう。四半期決算が総じて好調であること、良好なGDP統計に対する反応を鑑みるに、米株も底堅さを維持しよう。この場合、円相場ではドル円が円安ドライバーとなる可能性が高い。新興国&資源国通貨は対ドルで軟調な地合いとなろう。ユーロドルは昨日安値1.2546レベルを視野にユーロ安/ドル高優勢の展開となろう。
一方、欧州時間(日本時間19時)にはユーロ圏の消費者物価指数(10月、HICP、速報値)が発表される。市場予想(前年同月比:+0.4%)を下回るようならユーロ売り、上回るようならユーロ買いで反応する可能性が高い。
尚、本日の日銀金融政策決定会合だが、現在の株式と円安の水準を考えるなら、大きな政策変更は見られないだろう。政府が消費税率10%への引き上げを決定すれば、日銀による追加緩和導入の可能性が高まるだろうが現状は政府の判断待ちである。よって、今会合は無風で通過するだろう。
全国消費者物価指数(9月)は、市場予想の範囲内ならば、外為市場への影響は限定的だろう。



Technical analysis highlights

ドル円

レジスタンス 109.66:ボリンジャー上限 109.46:10月30日高値
サポート 108.30:短期サポートライン 107.80:21日MA(黄ライン)

昨日のNY終値ベースで109円台を維持したことで、ドル高/円安トレンドが鮮明に。目先の焦点は厚いビッドが観測されている109.50レベルの突破だろう。テクニカル面では、ボリンジャーバンド上限(MA:21、+2.0σ)の攻防が注目される。一方、下値は21日MAの維持が焦点となろう。

ユーロドル

レジスタンス 1.2770:10月29日高値 1.2689:21日MA(赤ライン)
サポート 1.2546:10月30日安値 1.2500:サポートポイント

重要サポートポイント1.2600を下方ブレイクしたことで、再びダウンサイドへ振れる展開を想定したい。目先の焦点は昨日安値だが、米経済指標の結果により下方ブレイクする展開となれば、節目の1.2500を視野に下落幅が拡大しよう。一方、上値は21日MAの突破が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが1.2700にはオファー、1.2500にはビッドがそれぞれ観測されている。

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