緩和中毒のグローバル株式

Market Overview-冴えない経済指標がリスクセンチメントを改善

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14日のグローバル株式市場では、前日に続きリスク選好優勢の展開となった。米国株式市場では、ダウ工業株30種平均が7月30日以来の水準まで上昇。S&P500種株価指数とナスダック総合指数はともに前日比0.4%高と堅調に推移。主要な欧州&新興国株式市場も堅調に推移した。グローバル株式が再びリスク選好優勢となりつつある背景には、ウクライナ情勢を巡りロシアのプーチン大統領が融和的な姿勢を示したことがある。しかし、最も注視すべきは冴えない欧米経済指標に株高で反応した事実だろう。

13日の米小売売上高(7月)に続き、昨日発表された米新規失業保険申請件数も前週比で増加。また、ドイツ経済の失速とユーロ圏の脆弱なファンダメンタルズも昨日のGDP統計で確認された。しかし、欧米株式は上述の通り堅調に推移。特に注目すべきは、リスク選好の先導役である米株の反発だろう。直近2日間の値動きが示唆しているのは、現在の米ファンダメンタルズの改善スピードのみでは、株高が維持出来ないという事実だ。例えるならば、ファンダメンタルズの改善のみに頼る構図は、車の片輪走行を思わせる。言うまでもなく、車は両輪がうまくかみ合って安定走行が可能となる。『安定走行=株高維持』と考えるならば、そのためには『長期緩和政策』という、もう片方の車輪が必要であることを直近2日間の値動きが示唆している。米経済指標の下振れを受け、来週21日から23日の日程で開催予定のジャクソンホールにて、イエレン連邦準備理事会(FRB)議長の宗旨替え(タカ派スタンス転換)に対する警戒感が薄れてきているとの指摘が出始めている。そして、その思惑と呼応するように米株では徐々に安定化の兆しが見え始め、米株の安定化はグローバル株式市場の安定化をもたらしている。また、10年債利回りがレンジの下限2.40%を割り込む局面が散見される等、米金利が再び低空飛行に陥っている背景にも、イエレンFRBによる超低金利政策の長期化期待があろう。

しかし、この状況はむしろ危険なシグナルであると、昨日指摘した。株式市場がいくら緩和マネーを求めても、10月には米QE縮小が終了する可能性が高い。その後、これまでの緩和政策によって膨張したFRBのバランスシートをどうするのかという問題が浮上するだろう。また、米ファンダメンタルズが改善傾向を辿り続けるならば、超低金利政策を維持し続ける弊害も指摘されよう。そのような局面に直面した時、緩和中毒に陥っているグローバル株式市場が、はたして現在の水準を維持できるかどうか、この点に関して決して小さくない疑問符が付く。

逆に米経済指標が市場予想を下振れる状況が続けば、緩和長期化期待よりも景気後退懸念の方が意識されよう。

以上の点を考えるならば、今後のグローバル株式市場は非常に読みづらい状況となろう。緩和中毒に陥った現在の株式市場が、経済指標の内容を素直に反映する可能性が低いからだ。また、緩和中毒からいよいよ脱する段階では、一度グローバル株式全体が大荒れの展開となる可能性も今から覚悟しておくべきだろう。逆に米経済指標が市場予想を下振れる状況が続けば、緩和長期化期待よりも景気後退懸念の方が意識されよう。
以上の点を考えるならば、今後のグローバル株式市場は非常に読みづらい状況となろう。緩和中毒に陥った現在の株式市場が、経済指標の内容を素直に反映する可能性が低いからだ。また、緩和中毒からいよいよ脱する段階では、一度グローバル株式全体が大荒れの展開となる可能性も今から覚悟しておくべきかも知れない。

Today’s Outlook -米経済指標と米株の反応に注目

本日も米経済指標が発表されるが、焦点は米株の反応だろう。指標が総じて市場予想を上回り、素直にファンダメンタルズ改善『期待』の方が意識されるならば問題はない。この場合、円相場は株高を背景に円安優勢の展開となろう。新興国通貨は米金利の動向次第だが、ジャクソンホール講演でのタカ派懸念が後退し始めている現状を考えるなら、米金利が急反発する展開は想定し難い。よって、『株高オンリーのリスク選好』を背景に、新興国通貨は堅調に推移する展開を想定したい。ユーロドルは引き続き下値を模索する状況が継続しよう。

むしろ注視すべきは、強い経済指標が逆にイエレンFRBの利上げ『懸念』を想起させる展開となった場合だろう。この場合、米株では利益確定売りにより上値が抑えられよう。米株が再び不安定化すれば、そのネガティブインパクトはグローバル株式市場にも波及し、円相場は円高優勢の展開となろう。また、新興国通貨も対ドル&円で軟調な地合いとなろう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 103.09:7月30日高値 103.00:レジスタンスポイント
サポート 102.38:200日MA 102.14:21日MA

200日MAの突破に成功したことで、103円台への再上昇を視野に入れる展開を想定したい。103円台への攻防へシフトした場合は、103.10レベルの突破が次の焦点として浮上しよう。一方、下値は200日MA&21日MAの維持が焦点となろう。尚、朝方のオーダー状況だが、102.70から103.00にかけては断続的にオファーが観測されている。102.20&102.00にはビッドが観測されている。

ユーロドル

レジスタンス 1.3415:21日MA(緑ライン) 1.3379:10日MA(赤ライン)
サポート 1.3333:8月6日安値 1.3320:一目/雲の下限(週足)

21日MAでレジストされる展開が継続中。よって、本日も8月6日安値1.3333トライの可能性を意識しておきたい。下方ブレイクとなれば、週足の一目/雲の下限での攻防へとシフトしよう。朝方のオーダー状況だが、1.3450から1.3485レベルにはオファーが断続的に並んでいる。ビッドは1.3335から1.3300にかけて観測されている。尚、一目/雲の下限(週足)下にはストップが観測されている。

 

【お知らせ】
筆者の都合により、次回配信は8月20日(水)となります。お客様におかれましては、ご理解のほどよろしくお願いいたします。

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