円高ドライバーとしてのドル&ユーロ円に警戒

Market Overview-米株、地政学リスクのショックを吸収できるか

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17日のグローバル株式市場はリスク回避一色の展開に。インタファクス通信は、17日夕(日本時間同日夜)にマレーシア航空の旅客機ボーイング777型機がウクライナ東部のドネツク州内に墜落したと報道。この件に関連し、ウクライナ内務省は乗客280人と乗員15人の全員が死亡したと伝えた。詳細は不明だが、ウクライナ国家安全保障国防会議はロシア軍戦闘機スホイ25による撃墜と指摘。欧米諸国によるロシアへの制裁強化決定直後の大惨事に加え、タイミング悪く、中東ではイスラエル軍が17日夜(日本時間の18日早朝)に地上部隊による作戦を開始し、ガザ地区に侵攻。欧州と中東で同時に地政学リスクが高まったことで、株式市場はリスクオフで反応せざるを得ない状況に。実際、投資家のセンチメント悪化は、VIX指数の急騰(11前後から一時15前後まで急騰)で示されている。好調さを維持していたダウ工業株30種平均も例外ではなく、同株価指数は5月15日以来となる大幅な下げ幅となり、心理的な節目の1万7000ドルを下方ブレイクする展開となった。NY金先物8月限やNY原油先物8月限(WTI)も上昇(リスクオフで反応)した。

外為市場では当然のごとく円買い圧力が強まり、円相場全体で円高トレンドが鮮明に。また、資源国&新興国通貨が対ドル&円で下落するのもリスクオフの状況下では想定の範囲内だろう。

目先の焦点は、この地政学リスクのインパクトをリスクオンの先導役である米株式が短期間で吸収できるかどうかだろう。その鍵は、引き続き企業決算にあろう。昨日の下落は、これまで上昇し続けた反動による下落の可能性と想定することが出来るが、週末というタイミングも考えるなら、さらに調整色が強まってもおかしくない状況だ。しかし、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやゼネラル・エレクトリックそしてハネウェルといった本日予定されている主要企業の決算が総じて好調ならば、リスクオフの圧力を相殺しよう。来週ピークを迎える決算でも好調さを堅持するならば、今回の地政学リスクを背景にしたセンチメントの悪化は短期間で収束しよう。

Today’s Outlook -年初来安値が視野に

警戒すべきは、企業決算で冴えない内容が続き、米株自体へのバリエーション懸念が高まる場合だろう。イエレンFRBのスタンスを未だ見極め切れずに、米金利(2年債利回り、10年債利回り)がレンジ内で低空飛行を続ける中、米株まで崩れることになれば安全資産への妙味が増し、米金利はレンジの下限(2年債利回り:0.30%、10年債利回り:2.40%)を目指す展開となろう。米国マーケットでリスクオフムード一色となれば、『株安=円買い、米金利低下=ドル売り』を背景にドル円が円高ドライバーとなるだろう。焦点は下記『TODAY’S CHART POINT』で指摘している年初来安値100.75(2月4日安値)の維持となろう。

また、もうひとつの円高ドライバーとして注目すべきは、ユーロ円だろう。従来の脆弱なファンダメンタルズ(低インフレ傾向)と欧州中央銀行(ECB)の緩和強化に加え、ウクライナの地政学リスクも合わさり、こちらも年初来安値136.23(2月4日安値)がターゲットに入っている。共に年初来安値更新となれば、ストップを巻き込みさらに下落幅が拡大しよう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 101.64:21日MA 101.50:レジスタンスポイント
サポート 100.82:5月21日安値 100.75:2月4日安値

18日のマーケットで大陰線が出現。101円前半のビッドにかろうじてサポートされたものの、グローバル株式がさらに崩れれば、101円割れを意識すべきだろう。その場合、攻防分岐は100.82(5月21日安値)&100.75(2月4日安値)となろう。それぞれのポイントではビッドが置かれている。しかし、下の水準にはストップも同時に置かれており、これらをヒットする展開となれば、100円トライを想定する段階へシフトしよう。一方、上値は目先、21日MA(赤ライン)での攻防が焦点となろう。101.85から102.00にかけては実需も含めたオファーが並んでいる。

ユーロドル

レジスタンス 1.3606:一目/基準線 1.3586:一目/転換線
サポート 1.3500:心理的節目 1.3477:2月3日安値

引き続き1.35台の維持が焦点に。1.35前半から1.3500にかけては断続的に厚いビッドが観測されている。しかし、1.3500下で置かれているストップを巻き込む展開となれば、重要サポートポイント1.3477を視野に下落幅が拡大しよう。1.3480レベルでは再びビッドが観測されている。一方、上値は1.36台への再上昇が目先の焦点だろう。テクニカル面では日足の転換線&基準線に注目したい。尚、転換線レベルでは、昨日に続きオファーが観測されている。

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