米株と各国経済指標に注視する一日

Market Overview-イエレン発言は概ね想定内だったが

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15日の外為市場はドル買い優勢の展開となった。半期に一度の議会証言でイエレン連邦準備理事会(FRB)議長は労働市場に残る『著しいたるみ』について言及し、引き続き『高レベル』の低金利政策は適切と述べた。また、インフレ見通しについても目立ったスタンスの変化は見られず。全体的には想定内の証言内容と言えるだろう。

ただ、筆者にとって意外だった点が2つある。ひとつは早期利上げの可能性について言及したことだ。具体的な時期は示さなかったものの、労働市場の改善スピード次第では想定より早まる可能性について言及し、米金利は短期ゾーンを中心に上昇。米金利の上昇は、外為市場でのドル買い圧力を強め、ドルインデックスは80.40台まで反発した。ドル円は101.75前後で推移している21日MAをトライする展開となった。

もうひとつの意外な点は、米株式市場における一部セクター(バイオテクノロジー、ソーシャルメディアセクター)の株価収益率(PER)が若干オーバーバリューになっていると指摘したことだ。この発言を受け、ナスダック・バイオテクノロジー指数は2.3%の下落。個別ではフェイスブック 、リンクトイン、イェルプといった銘柄が下落し、米株式の上昇トレンドに水を差す格好となった。この発言の余波が広がるかどうかは、今後の企業決算次第だろう。本日のバンク・オブ・アメリカ、eベイをはじめ、グーグル、ゼネラル・エレクトリック、アップルといった主要企業から、イエレン議長がオーバーバリューと指摘したソーシャルメディアのフェイスブック(7月23日発表予定)まで、今後1週間の間に決算発表はピークを迎える。バリエーション懸念を払しょくする内容が続けば、イエレン発言の余波が拡大することはないだろう。逆にイエレン発言を裏付ける内容が続くならば、リスク選好の先導役を失う可能性を意識したい。前者ならば、外為市場では高金利や新興国通貨の買い圧力を強めよう。円相場は総じて円安優勢の展開となろう。後者ならば、逆の展開となろう。ドル相場は米金利の動向次第だが、米株高を背景に金利への低下圧力が後退しても、2年債や10年債のそれがレンジ内で低空飛行を続ける限り、ドル相場の反発は限られよう。一方、米株が崩れた場合は金利のさらなる低下を招くことで、ドル円は101円割れを想定したい。

Today’s Outlook -英中経済指標と米国マーケットを注視

アジア時間は、中国経済指標にらみの展開となろう。日本時間11時より4-6月期の国内総生産(GDP)をはじめ重要経済指標が発表される。米株高への懸念が強まる中、中国の景気減速リスクまでが再び台頭する内容が続けば、アジア株式でリスクオフムードが強まろう。外為市場では豪ドルへの売り圧力が強まるだろう。逆に総じて強い内容ならば、リスクオントレンドはかろうじて継続し、豪ドルのサポート要因となろう。

欧州時間は、英国の雇用関連指標に注目したい。昨日発表された6月の消費者物価指数(CPI)と小売物価指数(RPI)は、前月比と前年同月比でともに市場予想を上回る結果に。直近の英経済指標は総じてファンダメンタルズの改善を示す内容が続いているが、雇用市場の改善傾向までが示されれば、早期利上げ期待を背景にポンドは対ドル&円でさらに上値トライとなろう。

NY時間は米経済指標と企業決算以外に注目すべきは、日本時間17日午前3時に公表される地区連銀経済報告(ベージュブック)の内容だろう。外為市場、特にドル相場の変動要因となる可能性があろう。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 101.96:200日MA 101.71:21日MA
サポート 101.00:サポートポイント 100.80:サポートポイント

トップサイドの焦点は、101.80を挟んで展開している21日MA(赤ライン)が200日MA(黄ライン)の攻防だろう。これらMAが推移している水準から102.00にかけてはオファーが観測されている。一方、下値は101.00、100.82(5月21日安値)、100.75(2月4日安値)を重要サポートポイントとして認識しておきたい。それぞれのポイントではビッドが置かれている。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3617:21日MA 1.3600:レジスタンスポイント
サポート 1.3550:サポートポイント 1.3500:サポートポイント

1.3600とクロスしている短期サポートライを一気にブレイクしたことで、ダウンサイドへ振れる展開を想定したい。米金利の低空飛行を考えるなら、目先は1.3550レベルの維持が焦点だろう。このレベル前後には厚いビッドが観測されている。上値は1.36台への再上昇が焦点となろう。1.3615前後には21日MAが推移している。

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