焦点は米インフレ動向に

Market Overview-「強すぎる」雇用統計、今後の焦点は?

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米労働省が発表した6月分の雇用統計によれば、非農業部門雇用者数は前月比で28.8万人増、5月分の雇用者数の伸びは21.7万人から22.4万人に上方修正、4月分のそれも28.2万人から30.4万人にそれぞれ上昇修正された。一方、失業率は6.1%と前月から0.2ポイント低下した。

直近3か月(4-6月)における雇用者数の伸びを振り返ると、月平均27万人超という予想外に早いペースで雇用増となったこと、今回の統計で製造業、サービス、小売りの各部門で雇用増が判明したこと、27週以上の長期失業者の比率が2009年6月以来となる低水準(全体の32.8%)まで低下したこと、そして労働参加率が横ばい(62.8%)で失業率が低下したこと等を考えるなら、今回の結果は「強すぎる」内容と言えるだろう。

マーケットの反応で注目すべき点は2つ。第1に「強すぎる」雇用統計を受けて尚、ダウ工業株30種平均が初めて1万7000ドルを突破し、且つ他の主要株価指数も軒並み上昇したこと。第2にドル買いが限定的だったことだろう。これら値動きの背景にあるのは、米景気回復期待の再台頭とイエレンFRBの宗旨替え(タカ派スタンスへの転換)への思惑だろう。特に今後焦点となってくるのは、後者だろう。「強すぎる」雇用統計が、それまでまだら模様だった米経済指標(GDP統計等)のネガティブな印象を相殺したことは、株式市場にとって願ってもない展開。しかしドル相場が真にドル高トレンドへ回帰するためには、株式の上昇だけでなく米金利の上昇も求められる。その米金利だが、「強すぎる」雇用統計の内容を受けて尚、2年債のそれは目先のレンジである0.52%以下でキャップされる状況が続き、10年債のそれは2.40%-2.80%のレンジ内での低空飛行が続いている。この状況を打破するには、イエレンFRBがいつタカ派スタンスへ転じるのか、この点を明確に示す必要があろう。その宗旨替えの可能性が高まるかどうか、鍵を握るのがインフレ動向だろう。昨日の雇用統計で平均時給は前月比0.2%増の24.45ドル(前年比:2.0%)。伸びは弱いが、景気回復に伴い賃金インフレが今後加速するならば、個人消費とインフレ率も徐々に高まることが想定される。実際には、7月中旬以降に発表される小売売上高、消費者物価指数そして個人消費支出(PCE)の内容を見極める必要があるが、これらが総じて堅調な伸びを見せれば、マーケットは近い将来(早ければ8月のジャクソンホール?)にイエレンFRBが将来の景気とインフレ見通しを上方修正し、その上で利上げの具体的な時期についてシグナルを発信してくると織り込み始めるだろう。

Today’s Outlook -ドル高/円安優勢のレンジ相場

本日は米独立記念日で市場参加者が限られる。また、重要経済指標の発表も予定されていない。よって、外為市場では昨日の流れを引き継ぎ、ドル高優勢のレンジ相場に終始しよう。ユーロドルは1.36台の攻防に注目したい。

一方、円相場は、終始円安トレンド優勢の展開を想定したい。昨日の米株の動向を受け日経平均が底堅く推移する可能性が高く、また、好調な雇用統計の結果が米金利への低下圧力後退を誘発しているからだ。焦点はドル円の動向だが、詳細なチャートポイントは下記「TODAY’S CHART POINT」を参照されたし。

Today’s chart point

ドル円

レジスタンス 102.80:6月4日高値 102.47:日足の一目/雲の上限
サポート 101.94:21日MA 100.79:200日MA

200日MA(黄ライン)にサポートされ、102円台の到達に成功。6月4日高値102.80を上限と想定し、まずは102.40レベルを突破出来るかが焦点となろう。この水準は、6月11日&18日高値レベルであると同時に102.47前後には日足の一目/雲の上限も推移している。また、102.30-60レベルには断続的にオファーが並んでいる。下値は21日MA(赤ライン)及び200日MAの維持が焦点となろう。尚、101.50以下よりビッドが断続的に並んでいる。

 

ユーロドル

レジスタンス 1.3700:レジスタンスポイント 1.3635:10日MA
サポート 1.3603:21日MA 1.3602:一目/基準線

1.36台の維持が再び焦点に。テクニカル面で注目されるのは、1.3600上で推移している21日MA&一目/基準線だろう。これらテクニカルを下方ブレイクすれば、ユーロ安がさらに加速しよう。上値は目先、10日MA(赤ライン)の突破が焦点となろう。1.3585-1.3560にはビッド、1.3680&1.3700にはオファーが観測されている。

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